処理中に問題が発生しました。

 吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。――みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常は異常を孕み始める。常識というような空漠たる概念を、どう学べばいいか知らないし分からない。けれど常識はそれを決して許さない。これはつまらない絶望と希望で構成された日々の中で「私」を考え、そして失敗するまでの軌跡譚……という執拗な説明文から筆者(LD:学習障害)の悪癖が分かる共感度0%な長文ブログです。

タグ:綿飴

 こ、こんばんは…。

 渡辺綿飴です。

 今回はタイトルでお察しの通り本日の更新についてですが、すみません。昨夜から緊急の別件でバタバタしてまして、記事を全く書けていません。

 つい最近まで記事の書き貯めで何とか賄えたのですが、プロットがアホみたいに長い過去編を除く即日で書けるブログネタを毎日探す作業はなかなか骨が折れるもので、自転車操業まがいの貯蓄すら底についたときはスーっと眼球から血液が引き下がっていきました…。

 どうにか塵レベルの社内預金である過去のツイートから運用資金を調達しまして、明日から通常更新を目指していきますので、本日についてはどうかご了承ください。

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【あとがき】

 かえって毎日更新にしない方が良いのかな…。

 引きこもりの無職だから人よりネタの積金が少なく、ただでさえ技量の利率が低いから元本の記事はバズる利益を生むこともなく、そんなこんなでアフィリエイト的な資産運用生活も夢もまた夢です。

 自分みたいなのは一括の〆切払いではなく分割の連載払いに変更した方が今回みたいな破産を招く事態を減らせるかもしれませんね。

 まあ連載当初の過去編がリボ払い申請にしたせいで見事に踏み倒したんですが…。
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 わが家の電話機が鳴った。通話相手は知能検査関連の職員。数日前に受けた私の検査結果の報告だった。

 4歳に受けた知能検査はマンツーマンの個別形式だったが、今回受けたのは私1人に対して専門家複数人が診断してポイントを測定する、本格的な『面接形式』での検査だった。こう言うのも変な話だが、彼らの前でごまかすことは恐らく不可能である。向こうのイスにはベテランの検査官、言語療法士、児童心理カウンセラー……そんなスペシャリストたちが出した質問に対して私が返した内容や沈黙の時間、目の動き、手足のクセ、私の何もかもが検査されている、これはどうしようもない。

「今回、渡辺綿飴君が特殊学級に編入すべきか知能検査を調べました結果、『編入する必要はない』と診断を下しました。むしろ前回行った検査結果に比べて大変良くなっています。今回検査を担当した先生たちも綿飴君を褒めてましたよ。『これほど落差が激しい子は珍しい』と」

 ここでいう『落差が激しい』とは言語野と他の知能野の障害の差を指す。

 今まで読んできた通り、私は相手と会話が出来ない。ただ相手が伝えたいことは、その表情や動作からおおよその予測はできる。後はそれに私が考えた答えを指さしなりジェスチャーなり図形や矢印など自分なりに駆使して伝える。つまり言語を使わないでも一連の会話は成立しているのだ。

 そもそも脳は物事を考えるときに「ロジック」として最初に側頭葉にある『言語野』という部分で処理する。そこで処理された情報は脳の各専門野に送られる訳だが、何事にしろ言語野の可動が大前提である。

 私の場合、その言語野が最初から壊れてる。パソコンでいえばCPUだけが壊れている状態に近い。たとえ残り部分は優秀でも意味がない。ワードやエクセルやパワーポイント以前に何もできない。それなのに会話が成立している。彼は一体どうやって物事を考えているのか分からない。たぶん専門家からしたら色んな意味で興味を感じる存在なのでしょう(最後に自分で美化したので実際は知らない)。

 今回の検査結果は教育委員会及び小学校に通知される。

 ちなみに知能指数や細かい情報は教えられない。あくまで目的は「編入は必要かどうか」なので、当初の目的以外での情報公開は禁止されているらしい。

 とにかく重要なのは、「そのまま普通学級に居て良い」「以前よりも知能指数が上がっている(ただLDには変わりないので通級は必要)」。

 そして10歳の時点で検査をクリアしたので、今後委員会に「編入申請」を送っても却下される事実だけが残った。事実上、小学校側の負けである。

 電話報告を受けた次の日、常にニコニコだった南先生から笑顔は消えていた。

「知らない」

「はやくやれ」

「勝手にしたら?」

 関係ない他の生徒にも当たるようになった。

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【あとがき】

 それから数日後。

「せんせぇ~、表面じゃなく本質で見ようや? なっ?」

 イヤな先生に対抗して、イヤな生徒ごっこ。(※やってません)

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 1999年。10歳。小学4年生。

 100年に及んだ1900年代も300日あまりを残していた。世間では『ノストラダムスの大予言(7月)』の年により「地球滅びるのどうなの?」的な関連書籍が爆発的ベストセラーしている一方、小学生の世間では『ポケットモンスター 金・銀(ゲームボーイ)』『大乱闘スマッシュブラザーズ(ニンテンドー64)』という現在でも任天堂を代表する大人気ヒットシリーズの発売により、地球や書籍の爆発よりも画面内の爆発に視線が集まった(遊ぶ友達がいなかった私はどっちもやってなかったし持ってなかった)。

 春は職場や教室など何かと変わる。通級の伴先生はそのまま続行だが、3年に及んだ土屋先生の地獄レッスンは担任交代により終了した。もともと先生の一方的なレッスンには通級関係者なども通して何度も忠告してきたのだが、

「綿飴君には限界があります」

「勝手に限界を決めないでください」

 この溜まりに溜まったポイントの清算なのか、土屋先生は私の元を去ることになった。

 勉強が嫌だった私からしたら願ったり叶ったりのことなので、3年間ひたすら熱心に勉強を教えてもらったからといって未練など一切ない。

「あー先生さいならっす」

 恩を仇で返す、それぐらいだった。

 新年度から私の担任になった先生は土屋先生と同じ中年の女性で、この先生の名前を「南節子」とする。南先生の授業は過去3年間とは真逆で、とにかくニコニコ優しい授業だった。

「綿飴くん、無理して読まなくていいよ」

「綿飴くん、この計算は難しい?」

「綿飴くん、それっぽい字を書けばいいから!」

 授業中に天井ばかり見てもニコニコ。注意することもない。

 あー楽だ! 今までの出来事が嘘のように授業をやり過ごせる! 当時の心境としては、こんな感じだった。

 今まで私のクラス内での立ち位置を書かなかったが、そもそも喋れない上に「授業抜け出す知恵遅れ」として、いじめ大好きイケイケ心底クズ人間にとって、この上ない甘い蜜で作られた餌食だった。

 私の鉛筆を折る、私のノートを破る、授業中に私のイスを蹴る。

 土屋先生のときにはなかったいじめのあらゆる暴力で来たが、最初から授業を聞いてないような状態だったので、最悪机の上が落書き埋められようがランドセル隠されようが平気だった(ただ周りの大人からしたら笑えない状況であった)。

 当時の自分にとって「出席数さえクリアすれば後はいいや」と考えていた。さすがにメンタル面が少し痛む日もあったが、基本的にそういう調子だった。教室内でのそういう私にも南先生は終始ニコニコだった。

 そんなある日のこと。我が家の元に一通の通知書が届いた。宛元は私たちの住むY市の教育委員会。経験上嫌な予感しかない。封に入っていた紙の文面を簡単にまとめると、こう書いてあった。

「Y市教育委員会です。この度、渡辺綿飴君の担任「南節子」およびY市立Z小学校の申請により、渡辺綿飴君の普通学級から特殊学級への編入推薦が出されました。渡辺綿飴君が特殊学級に入るべきかどうか緊急知能検査を行います」

 そう、あの女、ついに本性を出したのだ。

 普段はニコニコと授業していたけれど、内心では私を見離していたのだ。

 教育関係の詳しいシステムなど知らない。ただ教師一人の独断で教育委員会に申請できる物なのか?

“およびY市立Z小学校の申請により”

 つまりは校長先生も署名している可能性もある。悪い言い方をすれば小学校自体が私を見捨てた恐れもある。いじめっ子は同年齢とは限らない。普段はガミガミと授業していたけれど、内心では違っていたのかもしれない。

 土屋先生とは本当に真逆だった。

 しかし教育委員会には伴先生や今まで私を診た医者たちが作成した私のカルテが残っているはずだし、市の委員会どころか県の教育センターからも普通級の通学許可も下りているはず。

 それを引っくり返すなど一体あの学校はどれだけ熱く書いたのか。とにかく私は人生2度目の岐路に立たされた。

 そして再び知能検査を受けることになった。


(次回に続く)

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【あとがき】

 今回の「南節子」の名の由来。

 それは「南こうせつ」に似ていたから。

 それだけ。

 あと今更になってY市とかZ小学校とか設定を後付けしたが、改めて思う。

 こういうの、よくないなぁ…。

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