処理中に問題が発生しました。

 吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。――みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常は異常を孕み始める。常識というような空漠たる概念を、どう学べばいいか知らないし分からない。けれど常識はそれを決して許さない。これはつまらない絶望と希望で構成された日々の中で「私」を考え、そして失敗するまでの軌跡譚……という執拗な説明文から筆者(LD:学習障害)の悪癖が分かる共感度0%な長文ブログです。

タグ:授業中

 国語辞典を開くと“空”を使った単語の多さに気づく。私たちが普段使っているものから私たちでさえ知らないものまで。

 雨空、夏空、空気、空晶、空翠……そこには日本人の美学と道徳すら感じる。

 では今、この窓から見えている空は私たちの知る言葉の中で何と表せばいいのだろう…。

 授業中に私の携帯が鳴ってしまった日の空は黒板の波線よりも青かった。

 ここまでなら良くある学生の失敗談だが、私の場合はもう一つヒネクレていた。

 当時の私の着信音は初期設定や流行曲ではなく、映画『着信アリ』のあの着信音だった。言わずもがな『ジャパニーズ・ホラー・サウンド』として名高いあの着信音である。クラスに1人は設定していたであろうあの着信音である。2年生に進級して新しくなったこのクラスの場合、その1人が私である。

 それにしてもあの映画の影響力は本当に凄い。もしこれが普通の着信音だったら

「おいおい誰だよ、まったく~~」

な感じで笑って叱って丸く収まるけれど、今回ばかりは音が響く教室のみんなが

「(ざわ…ざわざわ……ざわざわ……)」

と誰もツッコまなければ言葉すら発しない。まさに映画さながらの臨場感であった。人が恐怖に立たされたときの表情を私は見た。だがよくよく考えるとこれも変な話で、映画ではあの着信音が鳴った携帯の持ち主が何だかんだ死んでしまうわけだが、私の場合は自ら進んでそうしている。つまり自分自身で死亡宣告を作っているのだ。

 YouはShock お前はもう死んでいる。

 IはShock いっそ死んでしまいたい。

 これは金持ちの死亡遊戯とかでなく本当にただの若気の至りなんです…。

 嫌だよ…もっと生きたいよ…。

 来る、きっと来る。

 右の肩からトン トン トン

 後ろの正面 だぁ~れ?

 えっ……

 ぐ、ぐ、ぐぐぐぅぅぅ……

 なんだ担任かよ。

 思わず声が漏れてしまったと気づいたのは5秒後の職員室に連行される廊下でだった。もちろん携帯は半日没収された。が

「没収する前に着信音を変えろ」

「教室に戻る前にすぐ変えろ」

と担任直々の命令が下りた。今から電源切りますから関係ありませんよ? 何ならバッテリーも抜きますよ? それともメンタル的な問題なのか? そういや映画ではあの着信音、バッテリー抜いても普通に鳴るんだった…。

 2年から各種進路別にクラス分けされた中で理系コース『1組』に配属された私は序盤から非科学的な伝説を作ってしまった。

「お前なにやってんだよ~!!笑」

とはさすがに誰も言えなかったし、同じクラスメイトであり親友である杉下と仲代ですら躊躇していた。それでも昔から「人の噂も七十五日」と言う通り、七十五秒も経てば親友との笑い話になって、七十五分も経てば教室での笑い話になった。

 そういえば2年から担任が新しくなった。

 先生の名前は「石橋洋一」。担当教科は数学。石橋先生とは1年生(数学Ⅰ)のときから付き合いがあった。見た目がややハゲ気味の眼鏡中年な上にタメ口調で授業するフランクな性格だったので生徒たちにとっても声かけやすい存在だった。先ほどあった「着信変えろ」の一連も今までの関係があったが故のことだと思う。

『加法定理の覚え方』

sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
sin(αーβ)=sinαcosβーcosαsinβ

“咲いたコスモス、コスモス咲いた”

cos(α+β)=cosαcosβーsinαsinβ
cos(αーβ)=cosαcosβ+sinαsinβ

“コスモスコスモス、咲いた咲いた”

を石橋先生の授業で習ったものの、生徒らからは

「覚えにくいぞー」

「分かりやすく教えろー!」

「工夫がないぞー職の怠慢だー!!」

など超ミニデモ活動が発生したので

「じゃーお前らよく聞け!」

と黒板にR18な語呂合わせが披露された。

 おかげでクラスの加法定理修得率は100%になった。これも男子校ならではの術である。

 この年はいわゆる名物先生たちに出会う年になった。

 執筆の関係上、少し省略するが……化学Ⅰを担当した田代先生は50代後半の背の低い白髪教師だったが、実際はその見た目を忘れるぐらい憎まれ口のプロフェッショナルだった。

「お前ら…これも知らないでここ来たのか。うわーっ怖い怖い! こんなんに日本のこれから委ねるのかよマジで大丈夫か日本…」

 そして滑らない話のプロフェッショナルでもあった。

 昔、田代先生が後の奥さんと横浜港で行われる花火大会を港の見える丘公園から見ようと行ったときのこと。その年の演出はド派手で発射地点である大型豪華客船の甲板から幾千の火花が散った。

「今年すげぇな~! ありゃ銅とナトリウムとストロンチウムのサマーバーゲンだな」

 次の日の新聞一面には『横浜開港祭花火大会 未曾有の爆発事故』と書かれていた。

 また別の話。

 近々、我が校の説明会でやる公開授業で人工ダイヤモンドを燃焼する実験を予定していた。奥さんは宝石に興味ない人らしいので、

「俺今度ダイヤ燃やしちゃうんだぜぇ~!」

と自慢げにアピールしたら、奥さんから

「もったいねぇことすんじゃねぇクソジジィ!!!!」

とリビングでそう言いながら胸ぐら絞められたらしいが

「中間試験5日前で問題用紙まだ作ってねぇから殺すなコノヤロ!!!!」

と言って死期を免れたとのこと。本人は三途の川の淵に咲いている花は白百合なのか確認してみても良かったなぁ~なんて言っていたが

「(まだまだ先だろうなぁ~)」

と初めて作った眼鏡で黒板を写しながら私は思った。

 他の話によると先生は学生のとき、ビートルズの武道館公演に行ったらしいので2015年の再来日で行われたポール・マッカートニー公演にたぶん絶対行っているであろう。白百合を先に見に行かなければ。

 1年の理科総合Aから科目選択で本格的に物理Ⅰが始まった。担当は部活の顧問でもある柵木先生。午前から「こんにちは」することになった。ただ昨年の絵布先生と違って、科学部員だからといって柵木先生は甘くなかった。

「あー違う違う、滑車で質量m引っ張ったときの張力Tの計算はこうだろ」

「なに計算した速度そのまま書いてんだよ、秒速と時速の変換は力学の基本だろ」

「物理専攻だったら“×9.8(重力加速度)”ぐらい暗算しろ」

 まったく甘くなかった…。

 そして同受講者の杉下と仲代も授業と課題のプリントにはヒーヒーだった。また毎回授業中に提出できなかったので物理ある日は放課後の教室で3人仲良くラグビーのスクラム方式で課題に取り組むことが多かった。自分たちの中では科学が好きだった私が残り2人に何とかアドバイスする、そんな日々が続いた。

 あるとき、職員室にいる柵木先生にプリント提出した後、こう言われた。

「お前は計算ミスが多いが誰より物理に意欲的だ。だから早くミス克服してあいつらを手助けしろ」

 せ、先生…!!

 私は物理が好きだった。

 課題が終わった後は曜日によるが科学部の活動になる。新学年になって頼りない私にも後輩が5人できた。春に行われた部活勧誘プレゼン大会で巨大静電気マシンに突進した甲斐があった。ちなみに巨大な静電気は視界にお星さま作ることをこのとき知った。

 話が少し変わっての補足なのだが…このブログは全て文章なので分からないが、私たち2年生・3年生と新しい1年生は明らかに違う部分がある。新生徒から制服が変わったのだ。冬服から夏服まで色もデザインも違う。つまり私たち2年生が最後の生徒なのだ。再来年には居ない色を着ていることで世代交代と生物絶滅の瞬間を嫌でも目の当たりにさせられる。やや大げさに書いたが、寂しいものだ。それでも後輩たちとの交流は楽しかったし、その年の夏の合宿もみんなで良い汗を流した。

 ここまで書いといてアレなのだが、その年に採った鉱物は覚えているものの、その他の出来事は前回ほど覚えていない。ただ2時間以上かけて登った山頂に押し迫るズレたスケジュールの関係上、山頂から5分足らずにあるスキー用のロープウェイに移動し、数時間前にいた麓に到着する20分間の中で因果関係の崩壊と世の無常を学んだのは覚えている。

■□■□■□■□■□



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 学習障害へ

どこかで勇気が生まれたとき鐘の音が聞こえる。
どこかで面白いと思ったとき票の音が聞こえる。
人気ブログランキング・にほんブログ村に参加してます!
たった、たったの1クリックで1日1票投票できます!!
このブログの鐘を鳴らすのは、あなたです…!!!





LINE・Twitterで
『処理中に問題が発生しました。』
更新通知を受け取りますか?
→①はい →②Yes →③OK牧場

東京事変
Universal Music LLC

■□
■□■□■□■□

【あとがき】

 皆さんお忘れかもしれませんが…第18話の階段から落ちた時から私はあまり目が見えてないままでした。

 それでも勘と経験でそれなりに過ごせたし、授業も机を前の方にさせてもらってました。ついでに言えば前回出てきたギャルはボヤケた視界でも識別できるぐらいギャルだったのだ…。でも不安定だった我が家の収入もある程度までは安定してきたし、そろそろ授業も本格的に受けたかったので思い切って眼鏡を作ることにしました。

 最初は授業中だけ掛けりゃいいやと思ってたのが1週間も経てば寝るとき風呂のとき以外ずっと掛けたままになりました。

 鈍化って恐ろしい!汗

 そのかわり無くすことが減ったけど…苦笑

 ちなみにコンタクトは考えてません。

 眼球に異物入れるなんて怖いし、衛生管理も大変だし、昼寝癖があるから想像しただけでも危ない…。

 帰納法的な証明での解答です。

 そういえば数学的帰納法の証明って演繹法なんだよね、当たり前だけど。

 えっ、どういうことかって?

 話がややこしくなったな……さらばっ!!



※理由を知りたい方はそのまま下げてください。



【あとがき】で「数学的帰納法の証明って演繹法だよね」と書きましたが、そのままではあまりにも…なので少しだけ解説しようと思います。

 そもそも数学問題などの証明方法には演繹法と帰納法の2種類があります。

『演繹法(えんえきほう)』とは……全体に成り立つ理論を部分的に当てはめていく方法。

 たとえば「太陽は必ず東から昇って西に沈むので、明日も太陽は東から昇り西に沈む!」。これが演繹法の考え方です。

一方、

『帰納法(きのうほう)』とは……部分に当てはまることを集めて押し進めて全体に通じる理論へと導く方法。

 たとえば「リンゴは甘い、ミカンは甘い、イチゴは甘い。つまり、それらを束ねる果物とは甘い!」。これが帰納法の考え方です。

 では、『1+1=2』はどちらでしょうか?

 これは誰が答えても『2』に変わりないので、この答えは演繹法です。

 もっとざっくりに書くと、1つの数式から出されるイコールの次の答えは基本的に1つしかありません。『風が吹けば桶屋が儲かる』理論と同じです。つまりこれも演繹法です。

 これを繰り返すことで不変な「式の答え」を出すので、算数や数学に出てくる式の解答のほとんどが演繹法だと言えます。同時に『風が吹けば桶屋が儲かる』とは演繹法の仕組みを分かりやすく例えた小話でもあるのです。

 では帰納法はどこで使われるのか?

 主に物理や化学など科学や経済学で威力が発揮されます。

 いくつもの小さい結果や現象や事案から大きい不変的な法則を導くので、これは立派な帰納法ですね。

 たとえ数式じゃなくても、過去に起こった事件や事例を基に憲法や法律が作ったり書き直したりするので、政治家や弁護士にも必要だと言えます。

 いわば文系理系関係ない重要な思考法です。

 となると演繹法に並ぶ第2の証明法『帰納法』が不変的に正しい解答を導くことを証明するにはどうすればいいのでしょう?

 ここからは高校数学の範囲になるので少し割愛しますが、つまりは「帰納法自体を証明するから結局は残った演繹法で証明するしかない(実際、演繹法で証明する)」。

→「数学的帰納法の証明って演繹法だよね」。

 かなり大ざっぱに書いたので多少の語弊はありますが、こういう理由であります。

 ちなみに『数学的帰納法』はあっても『数学的演繹法』はありません。それは演繹法を前提に扱われた世界で異彩を放つ証明法が現れたので、周りと差別化するために前者の言葉だけがあります。

 あと数学的帰納法の証明問題は2013年センター試験の数学ⅡBにも出ましたし、法科大学院の入試問題にも出てくるので、自分には関係ないやと思っている学生のキミ、要チェック!!

 えっ…そんなのとっくの昔に知ってるって?

 そっそうか…優秀なんだな!

 試験頑張ってね!!

 最後の最後まで色々取り乱しましたが……改めまして、よろしくお願い致します。

続きを読む
スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク

「おい、地獄さ行ぐんだで!」

 これは『蟹工船』(小林多喜ニ:新潮文庫)の書き出しだが、毎朝洗面所の鏡前に立つ度に向こう側から、そう言われている気がした。

 中学3年生。もうすぐ義務教育が終わる。

 勉強はできない。運動はできない。

 友達はいない。敵はたくさんいる。

 登校初日からずっと帰宅部員。

 そんな自分が学校に行く意味なんて正直に上げると二つしかなくて、昼休みに自分の机で「伏せ寝」と偽ってクラスの誰かが話す音楽とお笑いの最新情報を盗み聞きして毎日収集することと、3年越しに再び同じクラスになれた小学6年のときの初恋の人の姿を毎日見かけることしかなかった。

 そのおかげで出席日数は人並みに足りている。でも課題とプリントの提出率は完全に0%だから成績はオール『1』、以前述べたようにアスパラガス畑だった。

 ちなみに兄のバイト仲間で教職を目指す友人によると当時の義務教育マニュアル上では課題やプリントさえ提出し続ければ成績は最低でも『2』で止まるらしい(今でもそうか知らない)。

 たとえ一文字も書かれていない白紙でも名前さえ書いて提出すれば『2』が貰える。

 では『1』とは、どういう状態なのか?

『1』とは「その授業に対して妨害行為を働いている」を意味する。

 妨害行為とは、

◆授業中に罵詈雑言を行う
◆授業中に暴力行為を行う
◆授業中に飲酒喫煙を行う

 要するに犯罪に値する行為を働いたと教師にみなされたのだ。

 教育マニュアル上では「プリント未提出」は授業を

◆円滑に進める上で妨害した
◆その教師に暴力行為をした

とカウントされるようだ(普段こっちが暴力受けている側なのに)。

 その友人さんに私の成績表を伝えると、

「弟くん少年院上がりなの!?」

 もちろん違う。でも成績表での私はそうなるらしい。

「とにかく名前だけでも書かせて提出させろ!!」

と友人さんは兄に厳重忠告したが、

「もうあいつがどうなろうが知らね」

と兄は冷めて返した。こういう会話があったことを友人さん→友人の母親→ウチの母親経由で一連のことを間もなく私も聞かされた。

 中学3年生。もうすぐ義務教育が終わる。

 ほとんどの人はどこか高校に進学するが、心の底から勉強を恨み憎んでいる私にとって高校は地獄からの延長線でしかなくて、端から進学なんて考えていなかった。かといって就職も考えてなかった。勉強したくない。働きたくない。命令されたくない。とにかく今は何にも考えたくない。

 でも家族からしたら迷惑極まりない事態。何でもいいから行動を起こしてほしい。

 勉強は明らかに向いていないから就職させよう。

中学3年の担任である山本久美子先生(女子体育)の意見は、

「ちゅ、中卒で就職!? 失礼ですが今21世紀ですよ…?」

 世界有数の先進国の雇用条件は文明開化と共にハイテク化されているようだ。

 こんな問題校だけど高校の進学率100%を10年以上キープしているらしい(少なくとも担任が赴任された10年間は)。

 ウチの学区内には『TNT高校』という公立高校があるのだが、ここは実写版:鈴蘭高校(漫画『クローズ』シリーズの舞台である極悪不良校)、つまり学区有数の不良が集まる悪い意味のエリート校で、成績の悪い生徒は事実上そこに島送りされる。

 だいたいの生徒はそれを恐れるため、たとえ大学合格率そんな高くない普通校でも受験なり推薦なり何かしら死に物狂いして掴み取る。

 中学2年後半辺りから平凡生徒同士の争いやイジメが過激化するのも原因のほとんどがこの関係ゆえ、たぶん。

 おかげで中学3年半ばの教室は4分の1が空席だった。

「受験の関係で欠席してる」と言えばそうだが、半年後の卒業式で3分の1以上がボイコットした時点でそうじゃない気もした。

 このシーンの下りはこれだけなので半年ほど時計を戻す。

「あんたねぇ、このままだとああいう所に行くことになるんだよ?」

 晩ご飯中に見ていた『ごくせん(シーズン1)』指しながら母は必死に必死に必死に訴えてるのだが、ごくせんに出てくる不良は基本良い奴揃いなので、「(ちょっと反面材料には良くないな)」と盛りつけの嫌いなレタス噛みながら思った。

 TNT高校は何が何でも避けたい。そう思うお母さん、安心してほしい。

 1学期までの成績により「TNT高には内申点足りないから無理」と進路指導から最終通告されたから。引き算さえできれば入れる学校なんて、3+4を指で数える私には合わなかったのだ。

「あんた本当にどうするの?」

「知らない(鋼の錬金術師を読みながら)」

「知らないじゃ済まされないんだよ?」

「知らない(しつこいな…)」

「ねぇ、ちょっとは真剣に考えてよ!」

「うるせぇな! こっちは今真剣に読んでいて余計なこと考えたくないんだ!」

「何にも考えたくないんならマグロ漁船にでも乗りなさい!!」

「はいはい分かった、乗ればいいんだろ。でもな、ただじゃ乗らないぞ。現場監督の目を盗んで、何にもない遠い海に身投げして、その漁船に汚名というオレの名を残したるわハハハ!!」

 数ヶ月後の夏休み。

 がたいのいい大人がたくさんいるここは「あんたに見せたいワクワクイベントあるんだけど?」と連れられた先の公民館で行われたマグロ漁船の説明会。

「(……あれマジだったのか)」

「この子、漁船に乗せたいのですが…」

 どうも見た目通りにガラが悪いスタッフは私を見て言った。

「は? こんな鶏ガラを? どっからどう見ても向いてないやろ。ヤやわぁ~ウチも舐められたもんやなぁ~お母さん悪いがコイツ雇えん。帰った帰った」

 まさかのマグロ漁船も向いていない。今はともかく私たち家族いなくなったら、この子どうやって過ごすの。

 帰り道の落ち込んだ母の横で私も同様に落ち込んでいた。

「くそっ…音楽プレーヤー電池切れかよ…」

■□■□■□■□■□




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 学習障害へ

どこかで勇気が生まれたとき鐘の音が聞こえる。
どこかで面白いと思ったとき票の音が聞こえる。
人気ブログランキング・にほんブログ村に参加してます!
たった、たったの1クリックで1日1票投票できます!!
このブログの鐘を鳴らすのは、あなたです…!!!





LINE・Twitterで
『処理中に問題が発生しました。』
更新通知を受け取りますか?
→①はい →②Yes →③OK牧場

新潮社
1953-06-30

【あとがき】

 まず今回登場する担任の「山本久美子」も仮名です。

 名の由来は文中にも出てきた『ごくせん』の担任「山口久美子(ヤンクミ)」をもじりました。

 いちいち説明いらないと思うかもしれませんがエッセイを書く以上、場面によって経緯と理由は鮮明にする必要あるので…。

 このブログに出てくる名前は偉人以外基本仮名ですのであしからず。

 本編ではコミカル(もしくは悪ノリ)に書いてますが、ただでさえ不安な進路問題含め、この時期の出来事は心身蝕むというか露骨に将来が現れる重大な分岐点期でした。

 でも、もし漁船に乗ってたら今どうなってたんだろ…。

 それこそ「俺ア、キット殺されるべよ。」と『蟹工船』にある台詞(P.117)みたいなこと言うのかな。

 自分の性格上、どうせ航海初日に器具で引っ張る網か釣り糸が指に絡まり、スパンと持ってかれて、「わぁ~お手てがミトンになった~!」とでもほざくんでしょうね。ふざけてますね、やっぱり身投げします。(ダメ。ゼッタイ。)

 ……話題変えましょう。

 母の友人の友人の友人の旦那さんが昔このTNT高校で教員してたのですが、ある事情により辞めました。

 生徒たちから鉄パイプで背中打たれて悪いことに下半身不随になってしまい、自主退任として学校を去りました。そういう所です。もう「学ぶ校舎」じゃねぇ…。

 その旦那さんが今何をしているか知らないけど、たぶん車イスで今もどこかで何かをしているわけで、その何かが誰かのプラスだったら良いなと知ってる人と知らない人の共通項『空』に向かって思いを馳せてみる。

 あの雲、ソフトクリームみたい。

 あっ溶けていってる!

 いや違う…ゲリラ豪雨だ!!

 ヤバっ洗濯物取り込まないと!!!

スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク

 1999年。10歳。小学4年生。

 100年に及んだ1900年代も300日あまりを残していた。世間では『ノストラダムスの大予言(7月)』の年により「地球滅びるのどうなの?」的な関連書籍が爆発的ベストセラーしている一方、小学生の世間では『ポケットモンスター 金・銀(ゲームボーイ)』『大乱闘スマッシュブラザーズ(ニンテンドー64)』という現在でも任天堂を代表する大人気ヒットシリーズの発売により、地球や書籍の爆発よりも画面内の爆発に視線が集まった(遊ぶ友達がいなかった私はどっちもやってなかったし持ってなかった)。

 春は職場や教室など何かと変わる。通級の伴先生はそのまま続行だが、3年に及んだ土屋先生の地獄レッスンは担任交代により終了した。もともと先生の一方的なレッスンには通級関係者なども通して何度も忠告してきたのだが、

「綿飴君には限界があります」

「勝手に限界を決めないでください」

 この溜まりに溜まったポイントの清算なのか、土屋先生は私の元を去ることになった。

 勉強が嫌だった私からしたら願ったり叶ったりのことなので、3年間ひたすら熱心に勉強を教えてもらったからといって未練など一切ない。

「あー先生さいならっす」

 恩を仇で返す、それぐらいだった。

 新年度から私の担任になった先生は土屋先生と同じ中年の女性で、この先生の名前を「南節子」とする。南先生の授業は過去3年間とは真逆で、とにかくニコニコ優しい授業だった。

「綿飴くん、無理して読まなくていいよ」

「綿飴くん、この計算は難しい?」

「綿飴くん、それっぽい字を書けばいいから!」

 授業中に天井ばかり見てもニコニコ。注意することもない。

 あー楽だ! 今までの出来事が嘘のように授業をやり過ごせる! 当時の心境としては、こんな感じだった。

 今まで私のクラス内での立ち位置を書かなかったが、そもそも喋れない上に「授業抜け出す知恵遅れ」として、いじめ大好きイケイケ心底クズ人間にとって、この上ない甘い蜜で作られた餌食だった。

 私の鉛筆を折る、私のノートを破る、授業中に私のイスを蹴る。

 土屋先生のときにはなかったいじめのあらゆる暴力で来たが、最初から授業を聞いてないような状態だったので、最悪机の上が落書き埋められようがランドセル隠されようが平気だった(ただ周りの大人からしたら笑えない状況であった)。

 当時の自分にとって「出席数さえクリアすれば後はいいや」と考えていた。さすがにメンタル面が少し痛む日もあったが、基本的にそういう調子だった。教室内でのそういう私にも南先生は終始ニコニコだった。

 そんなある日のこと。我が家の元に一通の通知書が届いた。宛元は私たちの住むY市の教育委員会。経験上嫌な予感しかない。封に入っていた紙の文面を簡単にまとめると、こう書いてあった。

「Y市教育委員会です。この度、渡辺綿飴君の担任「南節子」およびY市立Z小学校の申請により、渡辺綿飴君の普通学級から特殊学級への編入推薦が出されました。渡辺綿飴君が特殊学級に入るべきかどうか緊急知能検査を行います」

 そう、あの女、ついに本性を出したのだ。

 普段はニコニコと授業していたけれど、内心では私を見離していたのだ。

 教育関係の詳しいシステムなど知らない。ただ教師一人の独断で教育委員会に申請できる物なのか?

“およびY市立Z小学校の申請により”

 つまりは校長先生も署名している可能性もある。悪い言い方をすれば小学校自体が私を見捨てた恐れもある。いじめっ子は同年齢とは限らない。普段はガミガミと授業していたけれど、内心では違っていたのかもしれない。

 土屋先生とは本当に真逆だった。

 しかし教育委員会には伴先生や今まで私を診た医者たちが作成した私のカルテが残っているはずだし、市の委員会どころか県の教育センターからも普通級の通学許可も下りているはず。

 それを引っくり返すなど一体あの学校はどれだけ熱く書いたのか。とにかく私は人生2度目の岐路に立たされた。

 そして再び知能検査を受けることになった。


(次回に続く)

■□■□■□■□■□



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 学習障害へ

どこかで勇気が生まれたとき鐘の音が聞こえる。
どこかで面白いと思ったとき票の音が聞こえる。
人気ブログランキング・にほんブログ村に参加してます!
たった、たったの1クリックで1日1票投票できます!!
このブログの鐘を鳴らすのは、あなたです…!!!





LINE・Twitterで
『処理中に問題が発生しました。』
更新通知を受け取りますか?
→①はい →②Yes →③OK牧場

エンド・オブ・ホワイトハウス(字幕版)

■□
■□■□■□■□

【あとがき】

 今回の「南節子」の名の由来。

 それは「南こうせつ」に似ていたから。

 それだけ。

 あと今更になってY市とかZ小学校とか設定を後付けしたが、改めて思う。

 こういうの、よくないなぁ…。

スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク

このページのトップヘ