「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるか思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、よりいっそう学びたくなる。」――アルベルト・アインシュタイン(1879年~1955年)

 この時この言葉を知ったのは、些細なきっかけで読み始めたアインシュタインの伝記漫画の1コマだった。

 前回の発電ラジオ製作を通して、「科学」に興味持ち始めた私は子供向けの入門書らを読んでいた。ちょうど好きな人ができたら安っぽい歌詞をヒマなく聴きまくるように。

 そんな中でも、小さいおまけコラムにあった「相対性理論」という存在に不思議な魅力を感じていた。

「相対性理論」……一言で言うと、「速度が光の速さに近づくにつれ周りの時間が遅く流れる現象(もちろんこれだけではないが全て書くとなると膨大な量になるので割愛させてもらう)」

 それを知って真っ先に思ったのが「漫画みたいなトンデモ理論だなぁ」。

 正直全く意味が分からない。もし仮にそうだとして、なんで光速になると時間が遅くなるの? なんで引力ごときで光が曲がるの? なんで重い物ほど周りの空間が曲がってると言えるの? ねぇ、なんで、なんで、なんで?

 我ながらしつこいと感じながらも少しでも理解したいと手を伸ばした彼の伝記、子供向けとはいえ解説は甘っちょろくなかった。結局分からずじまいか…。

 でも次のページめくると、

「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。神聖な好奇心を失ってはならない。」
――アルベルト・アインシュタイン(1879年~1955年)

 アインシュタイン博士…!

 さらにページをめくると、

「人が恋に落ちるのは、万有引力のせいではない。」
――アルベルト・アインシュタイン(1879年~1955年)

 博士パネェっす…!!

 一生ついて行きます!!!

「……ってことで担任よ、オレ高校行きます」

「そのさ、あんたねぇ…まあ資料ここに置いとくから自分で探して。先生、職員室にいるから…」

 急遽アドバイザーいなくなったのでセルフで高校探しを始めた。

 ご存じの通り、私はテストが大の苦手である。唯一得意な解答は「名前記入」。だから条件は「指定校推薦の中で内申点が低い私立」。

 当時の私の内申点は“16”だった。この背番号16で地元圏という内野をあっちこっち走らなくてはいけない。

 おっ! この「YK高校」内申15からだ! ここどうだろ? あっダメだ、写真の生徒がチャラい。しかも最寄り駅まで乗り換え3回の2時間半、話にならない。他の高校も似たり寄ったりでピンと来ない…。どうやら同県内に良さげな高校はないらしい。

 では隣の県まで範囲を広めてみよう。次は外野だな。さっきより大きくめくって最初に見たページ、そこの学校紹介欄にはこう書いていた。

_____

【価値のある大人ってなんだろう】

「自由」は子供を成長させる。

「自立」は大人へ成長させる。

では、大人に「自由」など必要ないのか?

いいえ、答えは「どちらも大事」。

本能と理性を兼ね揃えて「一人前」のように、
自由と自立を兼ね揃えて「一人前」だと思う。

「自由」+「自立」=『自由立』

このシンプルな方程式のように、
「自由立」を持った価値のある大人に育てたい。

これが我が学校名の歴史です。

『自由立高等学校』

~平成17年度入学生募集中~
_____

 ……不思議とピンときた。

 よし、ここにしよう。

 家から通える範囲だし、内申点も16からだから推薦も受かりそうだし、何よりもこれ以上高校探すの面倒くさい(過去の自分とはいえ書いてて途中から殴りたくなった)。

 だけどオープンスクールや文化祭など何度も通っていくうちに愛着が湧いてきて、正式にこの高校に行くことを決めた。担任と進路指導の先生に希望進学先を報告して、校長先生に土下座スライディングで推薦状を書いてもらい、つたない字と冴えない写真の願書を作って、書類審査通過の面接試験まで漕ぎ着けた。

 面接前夜の自室にて。

 あー人と喋るの苦手なのに……いやいやっ! せっかくのチャンスだ! そんなの無駄になんてできない! 噂によると、チャンスの神様は前髪しかないらしい。その成功を呼ぶ髪を掴むには躊躇わず即座に飛び込めという格言だ。グイグイと飛び込むんだな、よしイメトレしよ。

 面接会場の扉ガラガラ開けて……「だ、第一印象から決めてました!! お願いします!!」……明日早いから寝よう。

 さすがに第一印象はおふざけとして、自分がここでどのような生活を望んでいるか、そして高校卒業後にどういう延長線を結びたいか、アドリブ皆無&台本棒読みだったがトラブルなく無事に乗り切ることができた。

 まあ先ほど乗ってきた朝の行きの電車が飛び降り事故に遭遇したこと除けば…(死者はいなかったものの予定より5分ほど遅刻した)。

 後日、自由立高校から正式に合格証を頂き、晴れて4月より花の高校生になることが決まった。

 でも、その前に中学の卒業式だ。第25話でも書いたとおり、3分の1以上がボイコットした。そして密かに思いを寄せていた彼女もボイコット・サイドだった。

「ずっと好きでした」

「卒業しても会いたいです」

「私と付き合ってください」

 せめて途中まで一緒に下校したかった。

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【あとがき】

 中学生編はここで終わりですが、次回は進路に関係ない番外編を一つ書いて、それから高校生編に入る予定なのでお付き合いよろしくお願いします。

 あと当然ですが本編に出た「自由立高校」は私が勝手に考えた実在しない架空の高校です。ポスター風の紹介文もフィクションです。高校探しと同様にブログ内ではコピーライティングもセルフなんです…。

 もちろん「自由立」なんて単語は存在しないのですが、俳句や短歌の世界には「自由律」という手法があるんだとか。

 五七五・五七五七七や季語に囚われない感情の自由な律動に重きを置いたフリーダムな句で、俳壇に大革命を起こしたと辞典に書かれている。

 そこで自由律の傑作を生んだ俳人の一人「種田山頭火」の句をいくつか。

◆お天気がよすぎる独りぼっち

◆あたたかい白い飯が在る

◆殺した虫をしみじみ見ている

 ここからは私の自由律俳句。

◆自由を通り越して前衛的である

◆前衛が分からない私は遠い目でいる

 最後にTOKIOの城島リーダー。

◆素人は黙っとれ

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