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 吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。――みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常は異常を孕み始める。常識というような空漠たる概念を、どう学べばいいか知らないし分からない。けれど常識はそれを決して許さない。これはつまらない絶望と希望で構成された日々の中で「私」を考え、そして失敗するまでの軌跡譚……という執拗な説明文から筆者(LD:学習障害)の悪癖が分かる共感度0%な長文ブログです。

タグ:ディスレクシア

「きっと『センス・オブ・ワンダー』なのよ!」

 異常すぎる癇癪を起こす私を、母の友達はそう言った。

『センス・オブ・ワンダー』とは……「(自然など)一定の対象に触れることで受ける、ある種の不思議な感動、または不思議な心理的感覚を表現する概念であり、それを言い表すための言葉」(引用:Wikipediaより)

 この概念と言葉を考えたのは、1962年に『沈黙の春』で有機塩素系の殺虫剤・農薬「DDT(化学物質ジクロロジフェニルトリクロロエタンの略)」の危険性を訴え、人類で最初に環境破壊に警鐘を鳴らしたアメリカ人女性の生物学者:レイチェル・カーソンである。

 毎年、夏の期間中に訪れるメーン州の海岸と森をレイチェルは彼女の姪マージョリーの息子である幼いロジャーと一緒に探索し、雨を吸った土の感触、満面に輝く高い星空、森や海から聞こえる風の音、虫や動物、植物が生き生きと暮らす姿、その美しい自然の数々とその自然に触れたロジャーの反応と出来事を、彼女は詩情豊かなエッセイとして綴ったのが『センス・オブ・ワンダー』である。

 そしてレイチェルは本書を通じて読者にこう伝えた。

「すべての子供が生まれながら持っている『センス・オブ・ワンダー』、つまり『神秘さや不思議さに触れる感性』を、いつまでも失わないでほしい。そのために必要なことは“私たちが住んでいる世界の喜び、感激、神秘などを子供と一緒に再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、少なくとも一人、そばにいる”ことだ」

 次作に取り掛かっていた『沈黙の春』の執筆中にガン宣告を受けて、苦しい闘病の最中に書き上げた彼女は1964年4月14日(享年56歳)に死去。

 彼女の死去を受けた友人たちは、1956年の女性雑誌に一度掲載されただけであった『センス・オブ・ワンダー』を社会に広く伝えるために「遺作」として出版し、半世紀を経った現在でも世界中で愛されて読まれている。

 ……だいぶ話がそれたが、その風や日光に反応する私を、母の友人はこの『センス・オブ・ワンダー』なんだと言い、『豊かな感性を生まれもった子』として励ましてくれたそうだ。

 今までの事もあったので母は純粋に喜んだとのこと。もちろん当時の記憶などないし本当にそうなのか分からないが、小さい頃から自然は大好きだし、森や海や動植物に触れる瞬間の気持ちは今も昔も変わっていない。

 ベンチに座りながら五感に映る山々や海岸、街角に公園など、その場所に生きる独特の匂いに触れる感覚は自分の中では未だに健在である。

 きっとこういう姿を現代では「ベンチに座る怪しい男性」として、通りかかった知らない人を通じて警察に伝えられるのだろうな。

 ちなみに生涯独身で終えたレイチェル・カーソンであったが、1957年に肺炎で亡くなった姪マージョリーの息子ロジャー(当時5歳)を後に「養子」として迎えた。
 
 それから7年後、養母であるレイチェルも去った世界にて、友人たちの手で最後の本を作り、友人たちの手で最後に加えられた「後書き」の最後のページには、こう記されている。

「レイチェル・カーソンはこの『センス・オブ・ワンダー』をさらにふくらませたいと考えていた。
 しかし、それを成し遂げる前に、彼女の生命の灯は燃え尽きてしまった。
 生前、彼女がねがっていたように。

  この本をロジャーにおくる」

 この本は、当時5歳のロジャーの中に生きるレイチェル、そして5歳を生きたロジャーの中でレイチェルは永遠に生きていることを教えてくれた二人だけのタイムカプセルだった。

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レイチェル・L・カーソン
新潮社
1996-07-01

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【あとがき】

 この『センス・オブ・ワンダー』にまつわる話は中学生の時に母から聞いて、高校生の時に夏休みの読書感想文として(当時としては)力作に書いた覚えがあります。

 本は捨ててないので今でも読み返したいのですが、部屋の奥底へと旅立ちました…。

 当時書いた感想文も読み返したいのですが、返却も評価もされずに卒業しました…。

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 それからの生活はというと「安心」とは程遠いもので、前回も書いた通り、とにかく泣きぐずる沸点が低い子だった。

「癇癪持ち」

 そう言えばそうなのだが、ただこの単語が抱えるキャパを遥かに超えていた。

 普通、赤ちゃんの泣き声というと

 えーん えーん えーん

 おぎゃー おぎゃー おぎゃー

が主流だが、私の場合は……

 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 これに「エビ反りと白目と荒呼吸とよだれボタボタ状態」で泣いていた。いや鳴いていた。

 まさにリアル・エクソシストである。

 さらに泣く原因が何なのかも分からなかった。

 ただ聞いた話によると、雲の隙間から日光が射したり、急に風が吹いたり、テレビの音が聞こえたりとすると恐怖で震えた小猿みたいにウーウー泣いていたよう。

 まだ家の中ならば良いが、問題は外出先での癇癪である。そう書くことから察する通り、もちろん起こった。計数器が1回転するほど起きた。スーパー、デパート、バスや電車の中、駅の改札路途中など…原因が分からないから場所も選ばない。

 そして泣いた後はどうするか、

①赤ちゃんが泣く

②お母さんがあやす

③赤ちゃん泣き止む

 これが普通の流れ。

 だが、私のは……

①私が泣く

②母があやす

③抱いた瞬間、母の髪の毛を力と体重の限り引っ張る

④髪の毛が抜けると同時に頭皮も破れて流血する

 別の日は

③母の肩に全力で噛みつく

④着てたTシャツが出血により肩部分だけ赤く染まる

 こんなの普通の親からしたらブチ切れるだろう。でも何故か母は怒らなかった。そもそも温厚な性格もあるのだが、たとえ怒っても泣き止まないし通用しない子だというのが最初から分かっていたからだ。

 この一連の流れが家でも外でも行われる。特に外で癇癪が起こると通りかかった人たちは100%立ち止まる。でも生まれた時代が早かったおかげでTwitterやYoutubeに拡散されてる危険性はなかった。

 そんなある日、近所の駅構内でコレが起こった時に見かねた知らないオバチャンが母に説教した。

「あんたがそんなんだからこの子がこうなるのよ! 見てなさい!」

 オバチャンは私の腕を掴んで叩こうとした。でも私はオバチャンの掴んだ腕に噛みついた。パニックになって腕を振り回すオバチャンと、どんなに振り回されても腕から離れない私。犬かな、私は…。

 さすがに数秒後には振り飛ばすことに成功した。遠心力で飛んだ私は勢いよく地面を転がっていった。でも止まったと同時に四つん這いでヨダレ垂らしながらウーウーとオバチャンを睨みつけていた。犬ではないな、これは…。

 その異常すぎる様子にオバチャンは

「…ば、化け物よ! この子、化け物よ!」

 と大声で何処かへ走り去っていった。

 異常だ。異常すぎる。
 
 これは義母である祖母にも言われた。ただ祖母の意見は、

「この子がこんなのになったのは○○さん(母の名前)が入会しなかったからよ! 入会しなかった祟りよ! どうしてくれるの!?」

であった。

 当時の祖母はある新興宗教団体の熱心な信者だった。

 母が入会しなかった。信仰心がなかったからこうなった。全て母のせい。あらゆる罵声が飛んだ。
「もういい、先生に事情を話したら特別に『有り難いお言葉』を掛けてもらえる事になったから」

 どうやら新幹線で遠くから突然やってきた祖母の帰りはひとりだけではない。最初から私を連れていくつもりだった。

 うちの子が連れ去られる。普段大人しい母は必死に抵抗した。

「やめてください!! この子に悪霊などいません!! お義母様には関係ありません!!」

「黙りなさい黙りなさい!! さぁ、もうすぐ新幹線が出発する時間だからこっちによこしなさい!!」

「いやです!! ちょっと来ないで!!」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 修羅場となったわが家のリビング。

 予約した出発時間を逃しかける祖母は汚い捨て台詞と実家との離縁を残して家を去った。

 荒れ果てたリビングには、

「ごめんね、ごめんね…」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 泣く母と鳴く私の声が響いていた。

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エレン・バースティン
2013-11-26
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【あとがき】

 現在、祖母との問題は解決しています。

 数年前に祖母が「よくある病気」で他界したので。

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 都心から外れた閑静な場所にある大きい専門施設。ここの専門医は私をどう診断するか。

 案内された広いベビーベッドがある診療室で、いくつかのテストが行われた。この時、母は別室で待機していたのだが、特に泣き声とか聞こえてこなくて驚いたらしい。

 実をいうと当時の私は家にあるベビーカーや普段寝る以外の布団に乗せると異常に泣きぐずる癖があった。

 つまり「自分の中の環境」が少しでも変わると耐えられない子であった。それに加えて極度の人見知りで親戚や知人でも懐かない「世界が大変狭い子」だった。なので経験上、この状況には驚くしかなかったのだと思う。

 1時間以上も及ぶテストが終了したのか、母が診療室に呼び出された。

 とうとうウチの子に審判が下る。

 抱える必要以上の緊張が走った。

「様々なテストを通して調べた結果、お母さん……」

「はい……」

「素晴らしいですよ」

「…え?」

「だから、『素晴らしい!』ですよ」

 それはあまりに予想外なパターンだった。

「素晴らしいって…ウチの子、首すら座ってないんですよ?」

「確かに首も座ってませんし、大泉門も規定より開いていますが、お子さんは目の前に写った物や状況をしっかりと把握してますね。むしろ『賢い』ぐらいです」

「では他の問題は…?」

「それは分かりません。やはり外部的に見たら何かしらの障害があるかもしれませんが、知能は大変高いと思われます。だから安心してください」

 これが専門医が見た診断。九死に一生なのか分からないけれど、この言葉にはとてつもない安堵を感じたとか。たとえどういう障害があるにしろ、とにかく安心していい。この子と過ごす基盤が出来た。

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根本裕幸
あさ出版
2017-09-14

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【あとがき】

 基本的に赤ちゃんの睡眠時間は長く、15時間以上も寝る子もいるとか。

 そんな中で当時の私の睡眠時間は短く、6時間未満だった。

 これに専門医は「問題ないですよ。もしかしたら将来、受験や仕事など徹夜に強い子になるかもしれませんね」と笑っていた。

 が、すみません…。

 10時間寝てもまだ眠い子になりました。

 そして未だに…。

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