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 吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。――みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常は異常を孕み始める。常識というような空漠たる概念を、どう学べばいいか知らないし分からない。けれど常識はそれを決して許さない。これはつまらない絶望と希望で構成された日々の中で「私」を考え、そして失敗するまでの軌跡譚……という執拗な説明文から筆者(LD:学習障害)の悪癖が分かる共感度0%な長文ブログです。

タグ:アメリカ



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  監督:ティム・バートン
キャスト:コリン・ファレル、マイケル・キートン
ジャンル:ファンタジー
 製作年:2019年
 製作国:アメリカ
上映時間:130分
  評価:★★★☆☆
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【あらすじ】

 
時は1919年。汽車でアメリカ国内を移動するサーカス団体のもとで暮らす姉弟ミリーとジョー。二人は出兵に行った曲芸カウボーイの父ホルトの帰りをずっと待っていた。次の赴任先で、やっと父親と合流できたが、戦争で彼の左腕は失っていた。

 出兵中にサーカスでは曲芸の相方である妻とサーカス仲間数人が流行病で亡くなってしまい、かつての活気はもうなかった。しかも資金調達のために自分の商売道具である馬たちまで売られてしまい、ホルトは激怒する。

 その代わりに団長は作った資金であるものを買い付け、ホルトにその飼育係を命じる。それはお産が近いメスの親ゾウだった。半ばヤケクソで面倒みる数日後の早朝、待望の赤ちゃんゾウが産まれる。ただ、産まれた子ゾウは普通とは思えないほど耳の大きく不格好だった。

 思い描いた期待を裏切られた団長は激怒し、姉弟は怒鳴られる子ゾウのことを心配する。姉弟は羽を使って何とか簡単な芸を教えようとするが、子ゾウは誤って羽を吸い込んでしまう。そして大きいクシャミと一緒に大きい耳を羽ばたかせ宙に浮く……。

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【感想的な雑文】

 
言わずも知れたディズニーアニメ名作のひとつ『ダンボ』が名監督ティム・バートンの手により完全実写化!

 ティム・バートンといえば、唯一無二の「悪夢的童話観(広い意味のゴシック様式)」が名物だが、今作は彼の良さが全面に出されていて、監督の描く世界観が好みな私にとって大満足だった(彼の悪さを語るには『マーズ・アタック!(1996年)』がちょうどいい)。

 たとえば原作アニメのダンボで(ある意味)有名なのが、みんなのトラウマ「ピンクのゾウの夢」(そもそもピンクのゾウとは酒の酩酊や麻薬吸引などによって起こる幻覚症状の婉曲表現)。

 これがティム・バートンが手がけると、あら不思議。まったく怖くない。それどころか可愛くてメルヘンチック!

 原作ではダンボが誤ってお酒飲んじゃうことでピンクの象が出てくるが、本作では飲酒シーンはカットされて違う場面で登場する。またそのシーンが本当に素晴らしい。誰もが小さい頃に体験した夢を見ているような時間を思い出させる、そんな至極の仕上がりになっている。

 移動する汽車の細部から後半に登場する遊園地の全体まで、その間接的にディストピア感を帯びているディティールが監督らしく冴えていて、個人的に目の保養になる。1/150スケールのジオラマで部屋に飾りたい。

 そして何より実写化されたダンボがねぇ、もう、とっても可愛い…!!!

 アニメのクリクリしたお目めと愛らしい好奇心が忠実に再現されている。その姿はドラえもんとのび太が飼っていた、親とはぐれた子ゾウのハナちゃんにも通じます(『野生ペット小屋』てんとう虫コミックス版30巻収録)。

 そんなダンボが初登場する序盤ゾウ部屋にある藁山の隙間からヒョイと顔を覗かせた瞬間、「可愛いっ!」と観客の私が感じたところを、サーカス団長は一言で落とす。

「おい何だ この醜いゾウは!?」

 ディズニー映画には分かりやすい憎まれ役が何名か登場するが、この団長こそ憎まれ役の1人である(団員を養わなければいけない団長の焦る気持ちも分かるけど…)。

 また本作の憎まれ役の数、これがまた多い。むしろ姉弟以外の大人たちと子ども客たちには少なからず憎まれ要素がある。

 そんな悪環境下で、まだ幼いダンボは不安に苛まれながらショーに出演する。可愛い赤ちゃんゾウが苛められる場面は心苦しいし、周囲の大人たちに対して不快感しかない…。そんな我が子を助けるためにママゾウがショー中に乱入するが、そのせいで親子は隔離され、ママはよそに売られてしまう(ダンボが小屋に閉じこめられたママと柵窓越しに互いの鼻でハグするシーン、劇場で1人嗚咽してました…)。

「人気者になってママを取り返そう」と姉弟からの知恵で、ダンボは頑張って空を飛んでサーカスの人気者になる(そのいたいけな姿にまた泣いてしまう…)。おかげで運営資金もサーカス団員たちの気持ちも潤っていく。これでママも帰ってきて、ハッピーエンドかと思う矢先に最悪の訪問者がやって来る。

 マイケル・キートンが演じる新進気鋭の興行師ヴァンデヴァーである。空飛ぶダンボを自身が運営する遊園地の新設サーカスの目玉ショーにスカウトに来たのだ(ここからは本作の重要な部分に触れるので一旦止めます)。

 このヴァンデヴァーがね、まあクズ。ドクズ。脳みそが紙幣溶かした肥溜めなのかと疑うくらいゴミクズ。

 ディズニー映画では、憎まれ役とは別に絶対的悪の悪役キャラが登場するが、この人は美学の欠片すら無い分、非常に悪質。冷酷だからこそ『101匹わんちゃん(1961年)』の悪女クルエラ・ド・ヴィルみたいなビジネススキルがあるのかといったら微塵もない(部下からの信頼度0%だし)。

 そして勧善懲悪がモットーのディズニー映画ですので、先に言うとヴァンデヴァーは最後痛い目に遭います。良かった良かった!(これを観た子どもたちは彼を反面教師に良い大人になってくれ…!)

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Colin Farrell

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【あとがき】

 さてさて、ヴァンデヴァー演じるマイケル・キートンと本作の監督ティム・バートンといえば、実写版『バットマン(1989年)』の初代バットマンと監督のコンビでしょう(本当は前年の『ビートル・ジュース(1988年)』が先だけど、まだ観ていないので、ここでは触れません)。

 単純明快と言われてきたアメコミの映像化に初めてリアル(ゴッサム・シティの造形)とシリアス(天敵ジョーカーが誕生する経緯)の要素を持ち込み、後のアメコミ作品やアベンジャーズ・シリーズの礎にもなったヒーロー映画表現の転換期を象徴する名作である(元祖ジョーカー演じたジャック・ニコルソンの怪演ぶりは『シャイニング(1980年)』に続いてイカレてます。『マーズ・アタック!』のアメリカ大統領役では違う意味でぶっ飛んでます)。

 クリストファー・ノーラン監督の描く新生バットマン『ダークナイト三部作(2005年~2012年)』も、このスピリットが受け継がれているのが分かります。

『ダンボ』の悪役と監督、その2人が生み出したアメコミの記念碑的な作品を次の視聴候補に入れてみても面白いのでは?
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  監督:アントワーン・フークア
キャスト:デンゼル・ワシントン
ジャンル:アクション
 製作年:2014年
 製作国:アメリカ
上映時間:132分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
ホームセンターで同僚から生真面目で面倒見が良いと評判の店員マッコール。そんな彼の楽しみは毎晩決まった時間に馴染みのダイナーで読書すること。そのダイナーで娼婦の少女アリーナと知り合う。彼女とのたあいのない話が毎晩の楽しみとなっていた中、ある晩アリーナが集団暴行を受けて病院搬送された。デリヘルを運営するロシアンマフィアの非道さを知ったマッコールは店に単身乗り込み、わずか19秒で全員を抹殺する。この男の正体は元CIAの凄腕諜報員だった。この件をきっかけに正義が目を覚ましたマッコールは警察が介入できない不正を裁く“イコライザー”として活動する。その頃、マフィアの大ボスが送り込んだ元軍人の刺客がマッコールの存在に気づく……。

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【感想的な雑文】

 
さしづめアメリカ版『必殺仕事人』的なあらすじだが、原作は1984年から1989年までアメリカで放送されたドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の劇場版らしい。向こうでも正義の始末人が夜な夜なスマートに片づける系がウケるのねぇ~~(そういえば『バットマン』が裁かれない悪を始末する正義のヒーローだから、始末人はヒーローの原型かもしれない)。

 内容はシンプルな勧善懲悪もの。展開も単純明快で画面に映る以外の出来事は基本ない。なので特に深く考察する必要もない。だから感想もシンプルめになるが、とにかくカッコいい~~強すぎる~~大爆破も振り返らない~~!!!

 エンピツ1本で敵3人倒しちゃう『ジョン・ウィック』が好きな人は本作も絶対好きってどこかのレビューに書いてあったけど、たしかにこっちも好き~~!!!

 ただ、こっちはショットガンも特殊道具も使わず、極力ホームセンターの道具で倒すから「ええっマッコールさん、それで倒しちゃうの!? 応用力パねぇ~~!!!」と妙に興奮しちゃった。これからホームセンターに行くときの目が変わっちゃいそ~~!!!

 しかも続編あるの? 絶対観る~~!!!

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  監督:ウェイン・ワン
キャスト:ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート
ジャンル:ヒューマンドラマ
 製作年:1995年
 製作国:アメリカ
上映時間:113分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
1990年の夏。ブルックリンの街角で小さな煙草屋を営むオーギーは、14年間毎日同じ時刻の同じ場所で同じ写真を撮影していた。煙草屋の常連客で小説家のポールは、数年前の銀行強盗の流れ弾で妻を亡くして以来、スランプに陥っていた。ぼんやりして車にひかれそうなったポールを助けた謎の少年ラシードは、お礼にポールの家で2晩ほど泊めてもらった……。

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【感想的な雑文】

 
まず序盤のあらすじを書くとこうなる。どうも惹かれる雰囲気を感じない。もちろんここから彼らを中心とした出来事が徐々に広がっていくが劇的ではない。だけど、どんな映画よりもドラマチックだった。

“信じる者が一人でもいれば、その物語は真実にちがいない”――ポール・オースター

 原作は現代アメリカを代表する小説家ポール・オースターがNYタイムズに載せた短編小説。その短編に感銘を受けたウェイン・ワン監督が自ら映画化権を取り、ポール自身が脚本を書き下ろした。その映画はたった1館で9万人を動員し、全国で大ヒットして、世界三大映画祭のひとつベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した。

 こういう流れ、最近どこかで聞いたことありませんか。『カメラを止めるな!』と似た経路を辿っています。というより本作のほうが20年も前のことなので、そういう伝説的ヒットの走りである。もし『カメラを止めるな!』で普段なら出会わない単館上映作の魅力にハマったら、ぜひ本作も観てみてほしい。

 燃えてゆく煙草のように、大きな起承転結もなく淡々と日常が進むだけ。あるのは丁寧に描かれた人物と最低限の演出と音楽。それだけでとても美味い映画は作れる。そして観る回数分だけの違った感想を抱くかもしれないので、何かを感じたら次回もまた何かを感じてほしい。

 それにしても煙草を吸う彼らの姿が異様に色っぽくてカッコいい。自分は煙草は苦手だし今後も吸う気は一切ないが、それでもアクセントとなる煙草の存在は肯定的に惹かれる。過激な嫌煙活動を見てるよりはずっと心地良い。そういう意味では、こういう作品は二度と作られないのだろうな…。

 どこかで読んだ「20世紀を象徴する名作映画100選」に本作がエントリーされているのも納得である。

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