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 吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。――みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常は異常を孕み始める。常識というような空漠たる概念を、どう学べばいいか知らないし分からない。けれど常識はそれを決して許さない。これはつまらない絶望と希望で構成された日々の中で「私」を考え、そして失敗するまでの軌跡譚……という執拗な説明文から筆者(LD:学習障害)の悪癖が分かる共感度0%な長文ブログです。

カテゴリ: 文芸批評談話

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  作者:ルイス・キャロル
ジャンル:児童文学
 開催年:2019年
  会場:そごう美術館(そごう横浜6階)
  主催:そごう美術館、東映
観覧時間:120分
  評価:★★★★★
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【あらまし】

 イギリスの作家ルイス・キャロルの世界的名作『不思議の国のアリス』。誕生から約150年、170もの言語に翻訳、発行部数1億部を超える児童文学の傑作はいかにして誕生したのか。その秘密を貴重な書籍(初版本)と彼のスケッチから紐解く……。

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【感想的な雑文】

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 幼少の頃から慣れ親しんだそごう横浜前の大時計を左横目に、地下1階の賑やかなデパ地下に繋がるメイン出入り口から徒歩1分にある中央エスカレーター。そこから6階まで上がって直ぐに現れるのが《そごう美術館》。

 その美術館で現在開催されているのが『不思議の国のアリス展』である。

『不思議の国のアリス』は昔から親しみがあり世界観も好きなのだが、実は正式には読んだことはない。それでもあらすじを知っているのは、目から耳からの噂だけで話せる程度の情報に足りるほど国民的に有名である証拠だと(読んでない身分のくせに)私は思う。

 今回は歴史的に貴重な資料を元にアリスを3章に分けて読み説いていくのだが、まずは入ってすぐに曲がらないといけない入り口で顔がその先を向いた瞬間から《第1章:始まりの話-アリスの誕生》が始まる。

 物語が生まれたキッカケは意外にも単純で、1856年、オックスフォード大学で数学教諭していたチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンは交流のあった新学寮長の娘リデル三姉妹を楽しませるために即時的に話したおとぎ話に興奮した次女アリスが「また聴きたいから本にして!」とせがまれ、ルイス・キャロルというペンネームでまとめたのが最初だった。

 ルイスは豊かな想像力と好奇心をノートに描いたスケッチとともにアイディアを膨らませ、そのアイディアから当時人気の漫画雑誌『パンチ』で人気を誇った絵師ジョン・テニエルの作画によってルイスとアリスの見た世界が私たち読者にも可視化された。

 美術館の壁に飾られているのは挿画の下書きに使われたジョンのデッサンイラストが数十点。鉛筆で簡単に描いただけなのに、その構図は私たちが知っているアリスのイラストそのもので、数あるアリス作品の中でもおそらく世間的に認知されているディズニー版はかなり原作に忠実に製作されたのだと気づかさる(ちなみにディズニー版の原画も別室に展示されている)。

 アリスの愛読者の中でも原画や初版本を実際に読めた人は何人いるか。それだけでも足を運ぶ価値があった。

 誕生の国を抜けると、新たな森に迷う。

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《第2章:アリスの物語-不思議の国への招待》では、世界中で翻訳された『不思議の国のアリス』の挿絵を描いてきた後生のイラストレーターたちの原画を中心に物語の時系列に基づいて展示。もしかしたら貴方が読んだアリスの原画があるかもしれない。このときほど本を読まなかったことを後悔した瞬間も珍しかった。また第2章はこの展覧会で唯一の撮影可能エリア。だけど撮影条件はSNSにアップ用ではなく個人の思い出のために。当時読んだときのワクワクした思い出のために撮影をする。なので、あえて写真はあげない。

 手に持ったスマホとデジカメは一旦カバンに納めて、美しい森を通り過ぎた先の広い丘は《第3章:アートの国-世界が愛する永遠のアリス》。こちらでは各国を代表する国内外の芸術家たちが自己流のアプローチで見せる『アリス』が展示されている。山本容子、清川あさみ、エリック・カール(『はらぺこあおむし』の作者)などの見やすく可愛らしい作品から前衛過ぎて反応に困る作品まで…(特にサルヴァドール・ダリとか草間彌生とかヤン・シュヴァンクマイエルとか)。

 また(私は参加しなかったが)大人気体験型イベント『リアル脱出ゲーム』とのコラボ企画もあり、展覧会に次々現れる謎を解き進めるのも楽しい(参加してみたけど閉館ギリギリだったから…)。ただ問題を解きつつ展覧も一緒に楽しむとしたら最低でも3時間ほど余裕見た方がいいかもしれない。あくまで私の悪い頭基準だが…。

 さて、ここまで嬉しい!楽しい!魅力的!と書いたアリス展だったが、ここでひとつ悲報が。実は私の行った横浜会場は11月17で終了しており、私の見た作品たちは今、次の会場である福岡市美術館(2019年12月3日~2020年1月19日)に向かっている。それ以降も、

◆静岡市美術館(2020年2月1日~3月29日)
◆名古屋市博物館(2020年4月18日~6月14日)
◆新潟市新津美術館(2020年6月27日~9月6日)

 とバンドのライブツアーのようにあなたの町の近くにやってくるので、興味のある方、アリスに思い入れのある方、リアル脱出ゲームファンの方、ぜひとも行ってみてください!

 とりあえず去った私は原作である『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を読むことにしたいが本当に持っていないし、色んな出版社が出していてどこがいいのか悩むので、何かオススメの文庫版とかありましたら教えてください…。

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土井美加

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【あとがき】

“前衛過ぎて反応に困る作品まで…(特にサルヴァドール・ダリとか草間彌生とかヤン・シュヴァンクマイエルとか)”

 と感想に書きましたが、ダリと草間彌生はだいたいの人が分かると思いますが、「ヤン・シュヴァンクマイエル」この人を知ってる人どれぐらいいますか。

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 ヤン・シュヴァンクマイエルはチェコスロバキア・プラハ出身の芸術家・映像作家なんですが、こういう作風なんですよ。

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 一応言っておきますが、今回のアリス展で実物見た正真正銘のアリスを題材にした作品です。芋虫とキノコとアリスらしき少女の顔があるでしょ。それ以外は謎だけど。

 このヤン・シュヴァンクマイエルはシュルレアリスム(超現実主義)の歴史的巨匠でして、ダリや草間彌生と同様に結構な芸術眼を持っていないと理解に苦しむ代物でございます。現に今書いている自分も苦しんでいます…。

 そんな苦しむ人物のことを奇遇にもね、私知ってたんですよ。10年近く前、パソコンで最新映画予告を漁っていたら『サヴァイヴィング・ライフ ―夢は第二の人生―』というの見つけまして、あまりにシュールで奇妙でアートで何回か繰り返して見ていたんです(R18映画なので視聴は自己責任で)。



 仕事も家庭も楽しみのない男が夢の中に現れた美しい女性に恋をしたことで、この男の夢現を跨いだ奇妙な冒険が始まる内容なんですが、この監督がヤン・シュヴァンクマイエルだったわけです。

 接点のない写真と動画の切り貼りを撮影した本編映像に重ねることで実写とアニメの要素を掛け合わせた《ストップモーション》が観客に不可思議な体験を与える実験作でして、実際悪夢見たときの視界や感覚ってこれに近いと思います。少なくとも寝心地の悪い晩の私はこんな感じです。最近私が見た悪夢は女性になった自分の股間からグニュッと●●●が生えてきた夢でした。別に(※自主規制)にならなくたって年中生えてるというのに。いやいや主題ズレてもうた。

 何が言いたいのかといいますと、今回ので出展されたヤン・シュヴァンクマイエル監督が1988年に製作した映画『アリス』が、まさかAmazonプライムビデオで配信されてるの見つけたんですよ。そう、プライム会員なら見放題の分類で。

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 どうせ同じ月額払ってるなら見た方が断然お得ですし、正直どんな仕掛けで魅せてくるか気になりますし、レビュー欄でも高評価(しかも自分好みと分かる感想)、見る条件は完全に揃ってるのに二の足を踏んでしまうのです。

「何か精神的に堪える描写があったらどうしよ…」

 今回の記事だけでも●●●とか(※自主規制)とか好き勝手に書いといて実際はメンタル弱いマンです。受動と能動はコインの裏表と似ていて違うんです。自分で「無職」と言えても他人から「無職」とは言われたくないのです。

 これを「わがまま」と唱える他人は《パーソナルエリア(他人に近づかれると不快に感じる空間)》をご存じない?

 どんな言葉でも自分で発する以上は自分の範疇内だから、その言葉の真相のすべては知れてます。一方、外部しか見えてない他人からの言葉は同様に外部しか分かりません。その人は何を意図してそのように発したのか、ある程度の推測はできても真相は透明な闇の中です。

 これだからディスりは怖い!
 
 どう推測しても無責任と思うディスりは無責任に無視しましょう!!

 でも人事ではないな…。自分だってヤン・シュヴァンクマイエルの『アリス』を無責任にディスってるじゃないか。

 ここは一旦冷静になって、YouTubeで見つけた予告編の雰囲気で決めます。

 あっ、楽しそう…!(希望の光)
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  監督:小林啓一
キャスト:間宮祥太朗、桜井日奈子
ジャンル:恋愛
 製作年:2019年
 製作国:日本
上映時間:122分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

「死ぬ」が口癖の鹿野ななと「殺す」が口癖の小坂れい、恋に生きる撫子と愛を知らない八千代、生きることが下手な地味子と上手すぎて不器用なきゃぴ子。同じ高校で別々に過ごす3組6人であったが……。

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【感想的な雑文】

 今年も9名の逮捕者と数多のゴミ拾い者が呻き蠢いた渋谷ハロウィンの10月31日夜、そこから東京メトロ銀座線で6駅ほど離れた虎ノ門のニッショーホール(日本消防会館)にて開催の本作試写会に参加しました。

 漫画家・イラストレーターの世紀末さんが自身のTwitterで発表し、10代20代を中心に絶大な支持を得たSNS漫画『殺さない彼と死なない彼女』を実写映画化。

 Twitter投稿からずっと見守り、原作本も発売日に購入し、読み終わった後10分ほど何も考えれず呆然となって読み返したほど思い入れのある作品だったので、漫画特有の表現との相違など大人の事情は多少あるとしても原作を損ねるようなクオリティでは許しませんぜ体勢で観賞に挑んだのですが、その結果はかなりというか相当の良い意味で裏切られました。

「みんな、画面の中で生きてる…!!!」

 もちろん最初は小坂れい演じる間宮祥太朗さん(撮影時点で25歳)の制服姿に『アオハライド(2014年)』の東出昌大さん(撮影時点で25歳)にも感じた「こ、これで高校生っすか…?」があったが、物語が経つにつれ気づいたのが小坂は全てが婉曲でしか表現できず、その歪んだ内面が間宮さんの鋭い表情という媒体を通じて露呈して、エンドロールで名前が出てくるまで“間宮”の字が頭から消えていました。ちょっと顔が良いとかの理由では配役できない小坂の存在は、間宮さんのおかげで生きました。良い演技をありがとうございます!

 そして本作の主軸ヒロインである鹿野ななこと桜井日奈子さんには感謝しかありません。原作のちんちくりんさが見事再現されていて、実際に町中で見たぐらいの感覚で自然な彼女を自然に見つめてしまいました。全体的にこじんまり・絶妙な口の悪さ・どたどた走る姿・くしゃっとした笑顔、作者の絵柄の関係上、実写化不可能(特に走り方)と勝手に思っていたので微笑ましいと同時に嬉しかったです。元々桜井さん自身が大変可愛い方なので、この配役の時点で軍配は成功に上がってたんだと帰りの電車に振り返って悟りました。おそらく世紀末さんの世界観を一番表現した功労者です。自然豊かな演技をありがとうございます!

 主演二人以外にも恒松裕里さん(地味子)、堀田真由さん(きゃぴ子)、箭内夢菜さん(撫子)、ゆうたろうくん(八千代)など次世代を担う若手俳優陣による瑞々しい競演もまた見逃せません。妻夫木聡さん、小栗旬さん、新垣結衣さん、本田翼さんなどが初めて世間に出たときのように彼らも後の世間が知る俳優・女優として成長する過程のその最初として注目したいポイントですね。

 このほかにも主題歌と劇中音楽を担当する奥華子さんの優しく包み込むような曲と歌詞と歌声、劇中にカメオ出演している原作者の世紀末さん渾身の初演技、原作とはちょっと違う登場人物たちの相関図、タイトル『殺さない彼と死なない彼女』の文字一部を使って並び変えると『“小坂れい”と“鹿野なな”』になる由来の仕掛け……などなど伝えたいことがたくさんあるのですが、その中でも私が一番気になったのが、上の予告でも見て分かるとおり印象的な光の表現の仕方。

 たとえば教室を照らす日光の加減が窓側と廊下側ではまったく違い、照らすものが遠くなるほど暗くなる。まあ至極当然のことなんですが、それは私たち現実の話で映画やドラマでは《照明》のおかげで必要以上の光に満ちた世界で構成されてます(時代劇のロウソクあんなに強くないしドコから光ってんの的な)。

 それが本作では余計なもの使わず、自然光と部屋の照明だけで撮影されています。安心の合成着色光不要・無添加照明です。なので明るい部分と暗い部分のムラが目立ちます。そのムラこそが彼ら自身のリアリティを隠喩しており、登場キャラが朝晴れの日に暗い気持ちで登校したって日差しはキャラの気持ちに関係なく眩しいです。よくよく考えたら現実とはそういうものです。だからこそ相対的な暗い表情が目立ち、キャラの些細な動きに観客は意識するというズルい計算が編み込まれてます。

 また陽が強くなる瞬間だけ空から現れる《光の筋》とファインダーの中に現れる《虹の筋》、この一緒には見られない二つの筋が同じ画面に存在することでエモーション、つまり登場人物の嬉しいや悲しいなどの情景を間接的に表現する手法は日本映画が昔から得意とするもので、現代でこれほど巧妙に操った作品も珍しいです。その演出をした小林啓一監督を私は初めて観たので具体的な特徴などまだ知りませんが、今回を機に何本か過去作チェックしてみたいと思います(前作『逆光の頃(2017年)』がAmazonプライムビデオで配信されてるらしいので、まずはここから)。

 以上、批評なのか感想なのか解説なのか輪郭曖昧なダラダラ文が続いてしましたが…もう一言でまとめると、

「原作を愛する人も初めての人も観に来てほしい!!!」

 これっ、これに尽きます。

 私が参加した試写会(ライブドアブログ主催)では、若い女性に限らず老若男女、幅広い客層がいて、その中には原作が好き、映画が好き、試写会に当たったなど幅広い理由があっての集合なんだと思うのですが、物語終盤に連れ、胸を締め付けられる感動的場面になると所々すすり泣く音が…。私の隣に座る50代の少し厳ついオジサンも鼻下に拳置いていて、様々な理由でたどり着いた会場の客たちが同じ画面で感動をシェアしている今に何か尊いものが奥底からこみ上げました。

「いやぁ、映画って本当に良いもんですね」--水野晴郎

 そして上映が終わったとは改めてタイトルを読み返してください。そのときに本当の意味で涙します。

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世紀末
KADOKAWA

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【あとがき】

 上映後、ロビーに出るとパンフレットの先行販売(本来なら公開日の11月15日発売)をやっていたので購入に並ぶと、受付には上映前の挨拶に登壇した小林啓一監督の姿が!

 何と今なら監督のサイン貰える上に直接お話ができる機会が得られるわけです。列の関係上、1人の持ち時間はせいぜい10秒前後。私は上記の10%ほどを100文字程度の文章にまとめたものを「あっ……うっ……すごく面白かったです」と伝えました。

 社会不適合生活によるコミュ障!!!!!

 屈辱のとき誰もがカイジ顔になる……圧倒的コミュ障!!!!!(NA:立木文彦)

 だけど監督は嫌な顔少しもせず「若い女性に限らず様々な人や世代に観てほしかったので嬉しいです。ありがとうございます!」と私の目を見ながら優しく言ってくれました。

 何なの…聖人なの…?

 そんなこと言われたら大ヒット貢献したくなるじゃない。ガチャ時のiTuneカードばりに映画チケットたくさん買っちゃうじゃない。いや財布のなか帰りの運賃+1000円ちょっとしかないけど。

 しかし貢献したい気持ちは本当の形した本物なので、ウオオオオオオ!!!!!!!……とサイン入りのパンフレットを横手に現在ここまでたどり着きました。

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 この記事を書いたことで何か変わるかな。彼らたちが出会えたように何かが変わるといいな。

 あと関係ない話だけど、パンフレット売るロビー受付で並んでるとき、監督の隣の隣にライブドアブログの名物プロデューサー、宮Pさん(?)がいました。いやご本人の顔見たことないんですよ。でもね、同じライブドアブログでニート漫画の巨星、まめきちまめこ大先生の描いた似顔絵に激似なんですよ。(良い意味で悪い意味で)2.5次元が歩いているレベルでそっくりなんですよ。

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 もしご本人だったらちょっと話したいなぁ。毎日読むほど大ファンのまめきちまめこの名物担当者だし、もし今後ブログ関係でお世話になるとしたら今のうちに挨拶的なこと済ませとくべきでは…?

 でも本人だという確証ないし、今挨拶したって何話すのか正直分かんないし、どうしたものか…。

「次の方、次の方どうぞ」

「えっ、あっ……うっ……すごく面白かったです」

 これがコミュ障の舞台裏、別名サイドストーリーです。そして確証が得られない以上は声を掛けれず帰宅しました。二兎を追う者は一兎をも得ずです。知りたかった分くやしい…。しかしサインゲットと感想伝えたこと考えたら三兎を追う者は一兎だけ得ずなので、通算打率6割6分6厘ですから即メジャーリーグ行きです。控え目に言って明るい未来しかない…!!!

 明るい未来、なんて保証はどこにもありませんが、大切な人と出会えただけは未来に希望を見いだせると思います。その大切な人のおかげで人生変わるなんて普通に考えて奇跡ですよね。

 その奇跡の瞬間を、ぜひ劇場でご覧ください。

 ただのスイーツ映画と思いきや、結構裏切られますよ(耳元に小声)。
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  監督:ティム・バートン
キャスト:コリン・ファレル、マイケル・キートン
ジャンル:ファンタジー
 製作年:2019年
 製作国:アメリカ
上映時間:130分
  評価:★★★☆☆
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【あらすじ】

 
時は1919年。汽車でアメリカ国内を移動するサーカス団体のもとで暮らす姉弟ミリーとジョー。二人は出兵に行った曲芸カウボーイの父ホルトの帰りをずっと待っていた。次の赴任先で、やっと父親と合流できたが、戦争で彼の左腕は失っていた。

 出兵中にサーカスでは曲芸の相方である妻とサーカス仲間数人が流行病で亡くなってしまい、かつての活気はもうなかった。しかも資金調達のために自分の商売道具である馬たちまで売られてしまい、ホルトは激怒する。

 その代わりに団長は作った資金であるものを買い付け、ホルトにその飼育係を命じる。それはお産が近いメスの親ゾウだった。半ばヤケクソで面倒みる数日後の早朝、待望の赤ちゃんゾウが産まれる。ただ、産まれた子ゾウは普通とは思えないほど耳の大きく不格好だった。

 思い描いた期待を裏切られた団長は激怒し、姉弟は怒鳴られる子ゾウのことを心配する。姉弟は羽を使って何とか簡単な芸を教えようとするが、子ゾウは誤って羽を吸い込んでしまう。そして大きいクシャミと一緒に大きい耳を羽ばたかせ宙に浮く……。

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【感想的な雑文】

 
言わずも知れたディズニーアニメ名作のひとつ『ダンボ』が名監督ティム・バートンの手により完全実写化!

 ティム・バートンといえば、唯一無二の「悪夢的童話観(広い意味のゴシック様式)」が名物だが、今作は彼の良さが全面に出されていて、監督の描く世界観が好みな私にとって大満足だった(彼の悪さを語るには『マーズ・アタック!(1996年)』がちょうどいい)。

 たとえば原作アニメのダンボで(ある意味)有名なのが、みんなのトラウマ「ピンクのゾウの夢」(そもそもピンクのゾウとは酒の酩酊や麻薬吸引などによって起こる幻覚症状の婉曲表現)。

 これがティム・バートンが手がけると、あら不思議。まったく怖くない。それどころか可愛くてメルヘンチック!

 原作ではダンボが誤ってお酒飲んじゃうことでピンクの象が出てくるが、本作では飲酒シーンはカットされて違う場面で登場する。またそのシーンが本当に素晴らしい。誰もが小さい頃に体験した夢を見ているような時間を思い出させる、そんな至極の仕上がりになっている。

 移動する汽車の細部から後半に登場する遊園地の全体まで、その間接的にディストピア感を帯びているディティールが監督らしく冴えていて、個人的に目の保養になる。1/150スケールのジオラマで部屋に飾りたい。

 そして何より実写化されたダンボがねぇ、もう、とっても可愛い…!!!

 アニメのクリクリしたお目めと愛らしい好奇心が忠実に再現されている。その姿はドラえもんとのび太が飼っていた、親とはぐれた子ゾウのハナちゃんにも通じます(『野生ペット小屋』てんとう虫コミックス版30巻収録)。

 そんなダンボが初登場する序盤ゾウ部屋にある藁山の隙間からヒョイと顔を覗かせた瞬間、「可愛いっ!」と観客の私が感じたところを、サーカス団長は一言で落とす。

「おい何だ この醜いゾウは!?」

 ディズニー映画には分かりやすい憎まれ役が何名か登場するが、この団長こそ憎まれ役の1人である(団員を養わなければいけない団長の焦る気持ちも分かるけど…)。

 また本作の憎まれ役の数、これがまた多い。むしろ姉弟以外の大人たちと子ども客たちには少なからず憎まれ要素がある。

 そんな悪環境下で、まだ幼いダンボは不安に苛まれながらショーに出演する。可愛い赤ちゃんゾウが苛められる場面は心苦しいし、周囲の大人たちに対して不快感しかない…。そんな我が子を助けるためにママゾウがショー中に乱入するが、そのせいで親子は隔離され、ママはよそに売られてしまう(ダンボが小屋に閉じこめられたママと柵窓越しに互いの鼻でハグするシーン、劇場で1人嗚咽してました…)。

「人気者になってママを取り返そう」と姉弟からの知恵で、ダンボは頑張って空を飛んでサーカスの人気者になる(そのいたいけな姿にまた泣いてしまう…)。おかげで運営資金もサーカス団員たちの気持ちも潤っていく。これでママも帰ってきて、ハッピーエンドかと思う矢先に最悪の訪問者がやって来る。

 マイケル・キートンが演じる新進気鋭の興行師ヴァンデヴァーである。空飛ぶダンボを自身が運営する遊園地の新設サーカスの目玉ショーにスカウトに来たのだ(ここからは本作の重要な部分に触れるので一旦止めます)。

 このヴァンデヴァーがね、まあクズ。ドクズ。脳みそが紙幣溶かした肥溜めなのかと疑うくらいゴミクズ。

 ディズニー映画では、憎まれ役とは別に絶対的悪の悪役キャラが登場するが、この人は美学の欠片すら無い分、非常に悪質。冷酷だからこそ『101匹わんちゃん(1961年)』の悪女クルエラ・ド・ヴィルみたいなビジネススキルがあるのかといったら微塵もない(部下からの信頼度0%だし)。

 そして勧善懲悪がモットーのディズニー映画ですので、先に言うとヴァンデヴァーは最後痛い目に遭います。良かった良かった!(これを観た子どもたちは彼を反面教師に良い大人になってくれ…!)

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Colin Farrell

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【あとがき】

 さてさて、ヴァンデヴァー演じるマイケル・キートンと本作の監督ティム・バートンといえば、実写版『バットマン(1989年)』の初代バットマンと監督のコンビでしょう(本当は前年の『ビートル・ジュース(1988年)』が先だけど、まだ観ていないので、ここでは触れません)。

 単純明快と言われてきたアメコミの映像化に初めてリアル(ゴッサム・シティの造形)とシリアス(天敵ジョーカーが誕生する経緯)の要素を持ち込み、後のアメコミ作品やアベンジャーズ・シリーズの礎にもなったヒーロー映画表現の転換期を象徴する名作である(元祖ジョーカー演じたジャック・ニコルソンの怪演ぶりは『シャイニング(1980年)』に続いてイカレてます。『マーズ・アタック!』のアメリカ大統領役では違う意味でぶっ飛んでます)。

 クリストファー・ノーラン監督の描く新生バットマン『ダークナイト三部作(2005年~2012年)』も、このスピリットが受け継がれているのが分かります。

『ダンボ』の悪役と監督、その2人が生み出したアメコミの記念碑的な作品を次の視聴候補に入れてみても面白いのでは?
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  監督:アントワーン・フークア
キャスト:デンゼル・ワシントン
ジャンル:アクション
 製作年:2014年
 製作国:アメリカ
上映時間:132分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
ホームセンターで同僚から生真面目で面倒見が良いと評判の店員マッコール。そんな彼の楽しみは毎晩決まった時間に馴染みのダイナーで読書すること。そのダイナーで娼婦の少女アリーナと知り合う。彼女とのたあいのない話が毎晩の楽しみとなっていた中、ある晩アリーナが集団暴行を受けて病院搬送された。デリヘルを運営するロシアンマフィアの非道さを知ったマッコールは店に単身乗り込み、わずか19秒で全員を抹殺する。この男の正体は元CIAの凄腕諜報員だった。この件をきっかけに正義が目を覚ましたマッコールは警察が介入できない不正を裁く“イコライザー”として活動する。その頃、マフィアの大ボスが送り込んだ元軍人の刺客がマッコールの存在に気づく……。

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【感想的な雑文】

 
さしづめアメリカ版『必殺仕事人』的なあらすじだが、原作は1984年から1989年までアメリカで放送されたドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の劇場版らしい。向こうでも正義の始末人が夜な夜なスマートに片づける系がウケるのねぇ~~(そういえば『バットマン』が裁かれない悪を始末する正義のヒーローだから、始末人はヒーローの原型かもしれない)。

 内容はシンプルな勧善懲悪もの。展開も単純明快で画面に映る以外の出来事は基本ない。なので特に深く考察する必要もない。だから感想もシンプルめになるが、とにかくカッコいい~~強すぎる~~大爆破も振り返らない~~!!!

 エンピツ1本で敵3人倒しちゃう『ジョン・ウィック』が好きな人は本作も絶対好きってどこかのレビューに書いてあったけど、たしかにこっちも好き~~!!!

 ただ、こっちはショットガンも特殊道具も使わず、極力ホームセンターの道具で倒すから「ええっマッコールさん、それで倒しちゃうの!? 応用力パねぇ~~!!!」と妙に興奮しちゃった。これからホームセンターに行くときの目が変わっちゃいそ~~!!!

 しかも続編あるの? 絶対観る~~!!!

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デンゼル・ワシントン
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  監督:大森立嗣
キャスト:安田顕、賠償美津子
ジャンル:ノンフィクション
 製作年:2018年
 製作国:日本
上映時間:108分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
母の2年に及ぶ胃ガンの闘病生活が終えて、葬儀も火葬の段階まできた。燃え尽きた母の遺骨を見た息子サトシはふと「遺骨を食べたい」と思う。なぜサトシはそう思ったのか、それには38年もおよぶ母との可笑しくてパワフルな毎日があった……。

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【感想的な雑文】

 原作は漫画家として活躍する宮川サトシがウェブコミックに連載した実録コミックエッセイ。そのため、その描写のほとんどが事実に基づいた“リアルさ”で構成されている。だからなのか、観ているあいだ「つらっ…キツい…」と本音を漏らしそうになる場面が数多くあった。けれど、最後まで視線逸らさずに観れたのは先生が母の死に対して(たとえスローペースでも)向き合う姿勢を見せてきたからだと後になって思う。

 幸いにもまだ親の死別を経験していないが、いつかはその日が必ずやってくる。だから余裕のある間にいざというときの準備をしなければいけない(大変メンタルが削られる作業なのだが…)。本作を観ている間も(まだ後ろ向きだけど)その必要性が重々に感じた。

 劇中の中でサトシは、診療室で一緒にガン宣告を聞いたのにもかかわらず、隣に座る母に「たぶんこの人は死なない」と根拠のない自信を持つ。もちろん親の死をまだ受け入れられない部分もあるのだが、遺骨の件と同様、なぜサトシはそう思ったのか。それにはサトシが中学生のときまで遡る。

 サトシは中学生のとき、急性白血病になった(原作では大学生のときに発症している)。水泳の池江璃花子選手が発症した病気と同じ物である。池江選手のTwitterでも綴られている通り、その闘病生活は耐え難い日々だった。治療中の激痛と副作用、医療モルヒネの意識朦朧など正直生きているか死んでいるか分からなくなる中、自分を支えてくれたのは母親の山本"KID"徳郁を彷彿させる鋭い眼光だった。あの眼光のおかげで今の自分がいるし、その持ち主が死ぬわけがない。だから今度も助かるし今度は自分が助ける、という理由である。

 もう分かっているだろうが、神の子と呼ばれた山本選手も胃ガンで亡くなった(正確には全身転移による多臓器不全)。やはりこの世に無敵などいないわけで、懸命に頑張った治療生活もむなしく、あの眼光の母も家族に見守られて亡くなった。

 また通院生活中、自宅で投薬の副作用で髪も少なくなった母親が具体的な終活を始める。その母親の姿にサトシは苦虫噛み潰した顔で怒鳴ってしまう場面がある。それは母自身が死ぬことを受け入れているわけで、サトシにとって一番見たくない姿なのである。もし自分がサトシの立場だったら、同じことをしてたかもしれない。本編の中で一番キツかった場面だった。

 そういえば母が本格的に入院して、ある晩にイビキをかき始める場面がある。以前ウチの母から聞いた話で、ウチの祖母(母方)が腎臓ガンで末期のとき、病室のベッドで大きなイビキをかいていたらしい。それから数時間後に亡くなってしまった。担当医によると、脳が損傷し指令が滞ることで筋肉が弛緩し、舌を支える筋肉も緩んで呼吸が苦しくなりイビキのような音が鳴る。それは絶命直前に見られることから別名「死のイビキ」とも言われているらしい。それを間近に見た母の証言を覚えていたので、本作がいかにリアルに作られているなのかが分かる。

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安田顕
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

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【あとがき】

《※ここから先は個人的な話》

 ちなみに本作は母と一緒に観に行ったのですが、昔母が祖母を病院で看取るとき、末期の祖母が激痛で叫んで、何本も輸血しながら吐血し続ける姿を見ていたらしいです。それは地獄のような光景で、やっと楽になれると安らかに亡くなっていきました。

 だけど母にとってはやはり耐え難い事実で、実家に帰宅後吐くように号泣して、その姿を見た祖父は「何泣いとんや?」と聞いてきました。「お母ちゃん亡くなったんやで」と母は怒鳴ったのだが、祖父は「だから? アイツやっと死んだから(入院代)もう払わなくてすむ」と言いました。その意見に母の姉も横で同意していたよう(前妻の子だから母親といっても他人だし、性格は祖父に瓜二つだった)。

 普段温厚な母もさすがにブチ切れたが、それ以上に祖父からブン殴られました。まだ幼稚園にも通えない小さい兄の目の前で。

「んなことより知ってんだぞ。アイツの隠し口座あんの。はよ出せやゴルァ」と髪の毛を掴みながら脅かしてきました。

 それは本当だった。だけどそれは母と祖母が2人で暮らすためにコツコツ貯めた資金で、その約束は何があっても母は守るつもりだったが、怖がって泣く兄にまだ火が点いた煙草が入った灰皿を投げつけたことで母は通帳を差し出した(祖父は金のためなら実の母親を鉄パイプで殴り続ける人だったので)。

「ホンマおまえ頭までブッサイクやな(笑)」←幼少の頃から言われてきた言葉

 祖母も形見も失ったことで精神ボロボロになった母は、新幹線で家に帰ってすぐ父に話した。

「え? 何が悲しいの。ババァ死んだだけじゃん」

 祖父と全く同意見だった。通帳のことはまだ話してなかったが、それも意味のないことだった。

「そんなこと言わないで、お願い」と母は父に抱きついたが、「気持ち悪っ」と母を突き飛ばしました。そして母は精神を病みました。

 朝も晩も突き飛ばされた場所の家の狭い廊下に倒れて、「クソ邪魔」と父に足蹴りされて、もう戻れそうにないところを小さい兄が「ママごめん…ママごめん…」と揺すりながら泣いて謝っていたらしいです。事情がまだ分からない兄は自分のせいだと勘違いしていて、その姿で母は意識を取り戻せた。

 それから30年以上、「母親が死んで悲しむのは異常なこと」と(冷静に考えて普通じゃない)呪縛に囚われ続けていましたが、本作を観たことで母はようやく当時の自分の気持ちが肯定されたと、本作を観れたことに大変感謝していました。だから私からも原作者と編集スタッフと映画スタッフに感謝を申し上げたいです。

 本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
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  監督:ウェイン・ワン
キャスト:ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート
ジャンル:ヒューマンドラマ
 製作年:1995年
 製作国:アメリカ
上映時間:113分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
1990年の夏。ブルックリンの街角で小さな煙草屋を営むオーギーは、14年間毎日同じ時刻の同じ場所で同じ写真を撮影していた。煙草屋の常連客で小説家のポールは、数年前の銀行強盗の流れ弾で妻を亡くして以来、スランプに陥っていた。ぼんやりして車にひかれそうなったポールを助けた謎の少年ラシードは、お礼にポールの家で2晩ほど泊めてもらった……。

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【感想的な雑文】

 
まず序盤のあらすじを書くとこうなる。どうも惹かれる雰囲気を感じない。もちろんここから彼らを中心とした出来事が徐々に広がっていくが劇的ではない。だけど、どんな映画よりもドラマチックだった。

“信じる者が一人でもいれば、その物語は真実にちがいない”――ポール・オースター

 原作は現代アメリカを代表する小説家ポール・オースターがNYタイムズに載せた短編小説。その短編に感銘を受けたウェイン・ワン監督が自ら映画化権を取り、ポール自身が脚本を書き下ろした。その映画はたった1館で9万人を動員し、全国で大ヒットして、世界三大映画祭のひとつベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した。

 こういう流れ、最近どこかで聞いたことありませんか。『カメラを止めるな!』と似た経路を辿っています。というより本作のほうが20年も前のことなので、そういう伝説的ヒットの走りである。もし『カメラを止めるな!』で普段なら出会わない単館上映作の魅力にハマったら、ぜひ本作も観てみてほしい。

 燃えてゆく煙草のように、大きな起承転結もなく淡々と日常が進むだけ。あるのは丁寧に描かれた人物と最低限の演出と音楽。それだけでとても美味い映画は作れる。そして観る回数分だけの違った感想を抱くかもしれないので、何かを感じたら次回もまた何かを感じてほしい。

 それにしても煙草を吸う彼らの姿が異様に色っぽくてカッコいい。自分は煙草は苦手だし今後も吸う気は一切ないが、それでもアクセントとなる煙草の存在は肯定的に惹かれる。過激な嫌煙活動を見てるよりはずっと心地良い。そういう意味では、こういう作品は二度と作られないのだろうな…。

 どこかで読んだ「20世紀を象徴する名作映画100選」に本作がエントリーされているのも納得である。

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  監督:フィル・アルデン・ロビンソン
キャスト:ケヴィン・コスナー
ジャンル:スポーツドラマ
 製作年:1989年
 製作国:アメリカ
上映時間:107分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

「それを作れば彼はやってくる」農夫はトウモロコシ畑の中で啓示を聞いた。それが野球場のことだと無意識に悟った農夫は家族の協力の下(それ以外の周囲は大反対)、収穫前の畑半分を潰して立派な野球場を完成させた。だが何も起こらない日々が続くなか、夜の野球場に一人の野球選手が立っていることに気づく……。

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【感想的な雑文】

「感動した泣いた」とか表面的な因果ではなく、さらに深い部分にある琴線に触れる不思議な体験がこの野球場から全てが始まって、たぶん眼球ではなく心臓から泣いた…すっごく良い映画…ラスト綺麗…好き…。

 野球はどこか人生に似ている。野球は一人の活躍では決して勝てない。誰かの協力、誰かの決断、誰かの支援、人生の困難の半分は団体戦だ。

“一人はみんなのために、みんなは勝利のために”――『三銃士』アレクサンドル・デュマ(訳:竹村猛):角川文庫

 勝利を信じたい私たちは目の前の1ゲームに夢の舞台を投影しているのかもしれない。やっぱり野球って良いなぁ…!!

 また本作が上映された当時ほど今は活気が減ったが、アメリカ人にとって野球がどれだけ愛されたスポーツなのか、よく分かった。これは日本人にとっても共感できることだと思う。甲子園・プロ野球・WBC、舞台の地が変わろうと熱気が変わらないのは野球ぐらいだ。

 今アメリカ人にとって国民的スポーツと言えば圧倒的にアメフトだ。やはりその躍動感とエンタメ感には勝てない部分が目立ってしまう。だけどスター選手と他の選手のヒエラルキーはアメリカンドリームの暗い影で大変えげつない。

 一から畑を耕すようにチームの勝利は一人では叶わない。誰かからのフォローで初めて勝利が見えてくる。そしてその勝利には不思議なご縁が繋がっていて、その繋がりの強さから成り立つんだ。自分が今何をやっているのか分からなくたっていい。きっと何か見えないご縁でやっている。それは何かの土壌となる。その土壌は素晴らしい野球場にもトウモロコシ畑にもなれる。それさえ知っていれば人生に無駄なことなんてない。そう思える映画だった。

 個人的に老年のアーチー・グラハム選手にバート・ランカスターが出演していたのは驚いた。彼は戦後の映画史を象徴する俳優である。主に西部劇で活躍していて、ワイルドな男性像を彷彿させていたが、1963年『山猫』にてイタリア統一運動で衰退していく高貴な伯爵の葛藤が評価された(本作には伯爵の甥で活動家の青年役にアラン・ドロンが演じている)。世代的には古参の俳優なのだが、こうして動く姿が見られるとは思わなかった…。

 彼は本作の次作『裁かれた壁 アメリカ・平等への戦い(1991年)』を遺作に去った。『裁かれた壁』の主演した黒人俳優シドニー・ポワチエといえば、1967年『夜の大捜査線』の主人公ヴァージル刑事である。この映画もまたクライムサスペンスの名作として上げられ、自分もつい最近観たばかりだ。村社会からの黒人差別に黙り耐えて事件を解決させる姿は高倉健にも通じる“漢”を覚えさせる。その彼と最後は共演したと言うから興奮が収まらない…!

 本作でグラハム選手は最後トウモロコシ畑に消えていく。その後ろ姿は自身の死期を悟って、栄光なる夢の舞台を去っていくようにも見える。グラハム選手が去った野球場には農夫を演じるケヴィン・コスナーが立っている。ケヴィン・コスナーは今でもアメリカ映画の第一線で活躍する俳優だ。グラハムの背中を農夫はしっかりと受け継いでいる。この一作だけでも、映画の輝かしい歴史を感じさせる。この感動をもう一度噛みしめたいので、何か人生の節目を迎えたときにまた観ると思います。

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ケヴィン・コスナー
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  監督:英勉
キャスト:土屋太鳳、間宮祥太朗
ジャンル:ラブコメ
 製作年:2017年
 製作国:日本
上映時間:98分
  評価:★★★☆☆
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【あらすじ】

(滑り止めの)工業大学に(不本意で)入学した(1浪の)新女子大生ゆきな。一目惚れした人力飛行機部のパイロットでイケメンの部長高橋先輩の勧めで二人乗り飛行機のパイロット候補になったゆきなは、当部に在籍するもう一人のパイロット坂場先輩の存在を知るが、それがメンタル最弱のヤンキーかぶれで……。

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【感想的な雑文】

 とにかく本編の主軸となるゆきな(土屋太鳳)と坂場(間宮祥太朗)の喧嘩トークが、まぁ終始やかましいっ!!!(褒め言葉)

 撮影終わる度に酸素ボンベを渡してあげたいぐらい二人が並ぶシーンはハイテンション元気フルスロットル放電エネルギッシュ有頂天で、ある意味コント番組見てるようなコメディ強めだが、途中からラブ要素がチラチラ見えてきて、結果面白い少女マンガ読んでいるような爽やかな気持ちになって、(あまり期待してなかった分)結構良かった。

 ただ理系学生にとって青春の場となる三大番組『高校生クイズ』『学生ロボコン』『鳥人間コンテスト』、そこに恋愛要素が絡むとなると、個人的にしらけてしまう…。

 あそこに出場する学生たちのほとんどが出場のために勉強以外の貴重な時間を費やして、時には耐え難い挫折を乗り越えて、そして他のチームを蹴落とす覚悟で彼らは戦って念願の優勝を掴み取る。

 甲子園が代表されるスペシャリストたちの青春群像劇!!!

 これが番組たちの最大の見物なのに無駄に美男美女の出場者がいて、対決終盤になって「私たち付き合ってまーす!」「今から告りまーす!」とか流れ関係なしにコメントし始める。

 ふざんけとんのかぁ?!!

 マジョリティが持ち合わせてないものを見せつけないで……自分たちにはそれがないことを知らせないで……(嫉妬100%)。

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土屋太鳳

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【あとがき】

※劇中の彼らに合わせてハイテンション元気フルスロットル放電エネルギッシュ有頂天でお送り致しました。
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  監督:ノーラ・エフロン
キャスト:メグ・ライアン、トム・ハンクス
ジャンル:恋愛
 製作年:1998年
 製作国:アメリカ
上映時間:119分
  評価:★★★☆☆
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【あらすじ】

 
ニューヨークの片隅、先代の母から継いだ小さな絵本専門書店の女主人キャスリーンは、インターネットで知り合った顔も声も名前も知らない[NY152]とのメール文通に夢中。

「文面でしか彼のことは知らないけど、きっと素敵な人に違いないわ!」

 そんなことを思っていたある日、自分の店のすぐ近くにカフェ併設の値引き型大型書店が出店。今まで来てくれていたお客たちが向こうに取られていって売り上げは大ピンチ!

 彼女は商売敵である大型書店の経営者で合理主義の御曹司ジョーと顔合わせる度に口喧嘩になるが、実は毎晩文通し合う[NY152][shopgirl]だとは、お互いまだ気がついていなかった……。

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【感想的な雑文】

 Wikipediaの情報を元に、久しぶりにあらすじ書いていって段々と思い出してきた。何かラブストーリー系の作品を書くときの参考書として観ておいても良いぐらいラブコメ王道の一作である。

 高校生のとき、英語の課題教材として授業中に観たのだが、今となって考えたら何でこれ選んだんだろう…。

 当時それほど興味がなかったから何の印象も残らなかったけど、当時の彼らの年齢に近づいた今、改めて観たら違う感想を抱く気がする(アマゾンプライムにもNetflixにもないので、まだ分からないが…)。

 またメールや文通を知らない若い世代でも、SNSに置き換えて観てみたら、もしかしたら彼らの心情が分かるかもしれない。むしろSNSのほうが本作との相性が良いでしょう。そういう意味では、色褪せない名作だと思う。

 Wikipediaでさらに調べると、1940年に製作された『桃色の店』という作品のリメイクで、時代を反映して「手紙で文通」の設定が「インターネットでメール」に置き換えられたらしい。それならSNSが最も普及された今、「SNSでDM」という設定でまたリメイクしてもいいのでは? テンプレな設定のラブコメを作るぐらいなら、こっち作ってほしい…。

 このように時代も媒体も変わってしまったけれど、人が誰かに恋して想う姿は変わらないのだと実感する(たぶん翌朝に読み返したら吐くなコレ)。

 たとえ学校とか職場とか今日1日に疲れたとしても、ネットにいる誰かのメッセージで明日もまた頑張れる。それは文通の時代から続く普遍的な事実。だからこそ恋愛映画の傑作ラインナップに常に入れておきたい1作だと思います。

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トム・ハンクス

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■□■□■□■□■【あとがき】

 それにしても、この頃のメグ・ライアンは可愛かった。今は……。
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  監督:三谷幸喜
キャスト:香取慎吾
ジャンル:SF/コメディ
 製作年:2015年
 製作国:日本
上映時間:110分
  評価:★★☆☆☆
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【あらすじ】

 西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶスペースコロニー「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路、通称ギャラクシー街道。かつて活気あった道路も開通して150年、老朽化がひどく閉鎖の噂まで聞こえてくる。そんな街道の中央にひっそりと佇む小さなハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」。今日も様々な星から宇宙人がやって来るが、その日は開店史上最も慌ただしい1日であった……。

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【感想的な雑文】

 まるで少々長めの質の悪い夢を見ているような…。けどハッピーエンドなのが本作の数少ない救いで、やっぱり三谷幸喜の世界だと実感した。

 ただ同じエアポート系を観るなら『大空港2013』を勧めたい。本当に同じ人(脚本・監督)なのか…?と疑うぐらい完成度が超絶高い。今ならAmazonプライムで観れるよー。

 あと綾瀬はるかのMr.スポック感が物凄い。色々と奇妙な宇宙人が出てくるなかで、おかっぱヘアーだけで他の宇宙人を食ってしまうとか天性の才能だと思う(褒め言葉)。

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香取慎吾
ポニーキャニオン
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  監督:ダニー・ストロング
キャスト:ニコラス・ホルト
ジャンル:ノンフィクション
 製作年:2017年
 製作国:アメリカ
上映時間:109分
  評価:★★★★★
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【感想的な雑文】

 こうして話を始めるとなると、君はまず最初に、今日どういう映画を観たいと思ってこの作品を選んだのか、その前に君がどういう趣味を持っていて今日に至ったのか、そんなつまらないことは僕には知らないし興味なんてない。だけど僕が映画館でチケットを買うために行列に並んでいる間、前の客たちが揃って『ボヘミアン・ラプソディー』をあげるのは我慢できないんだ。たしかにフレディ・マーキュリーは歴史に残る偉大な存在だよ。それは僕も認めるし、僕のウォークマンにも彼らのアルバムを入れている。ただ、まだ『ボヘミアン・ラプソディー』を観ていないだけで僕だけが疎外されている気にさせられるのは納得できないんだ。電車で2時間かかるIMAXのある映画館で上映が終わってしまったから観ていないだけなんだよね。それに今上映している歴史に残る人物を主人公にした映画はこれだけじゃない。今日僕が観に来たのは『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』という歌とは別の言葉の世界に囚われた男の映画だ。

 1951年の発表から世界中の若者たちの心を熱狂的に離さない青春小説『ライ麦畑でつかまえて』の作者であるJ・D・サリンジャーの生涯を追った映画なんだけど、予告を見た時から映画館で観ようと決めていたんだよね。それまで『ライ麦畑でつかまえて』読んだことないのに不思議とそういう気持ちにさせたんだ。やっぱり不思議だよね。だから古本屋で村上春樹翻訳の『ライ麦畑でつかまえて』を買って、この小説のすべてに初めて触れたんだ。

 小説の中で純粋で無垢な存在を愛し信じる17歳のホールデン・コールフィールドは、インチキな大人たちが作った社会の欺瞞に対して、読者に投げ語る形でアヒルのいない冬の池に一石を投じた。ここでいうアヒルに深い意味はないよ。ただ消えたアヒルたちが冬の間どこにいるのかホールデンが知りたがってただけ。もし誰かにホールデンってどんな奴か聞かれたらそう答えることにしてる。あいつはそういう奴なんだ。みんなが呆れるぐらいにね。でもね、そんな孤独なあいつだけど、紙の向こうでは友達がたくさんいるんだ。

「ホールデンは僕自身だ!」

 こんなふうにね。半世紀以上経った今でも世界中の若者に自発的に言わせているんだ。まったく参っちゃうよね。30歳を目の前にして多少のインチキを覚えた今の僕にはもう言えない台詞だけど、神聖な学問を通して塾と受験と社会の存在を忌み嫌っていた同じ17歳の頃を思い出すと、その台詞を言いたくて仕方なくなったよ。やっぱりホールデンは僕自身だと思うね。だからなのかな、残りのサリンジャーの小説も翌日に揃えてしまった。でも、これは必要経費だと思うよ。彼の作品に感動したんだから。それにしても何で、何でこんなにも僕の気持ちが分かるんだろう。この小説を生み出したサリンジャーの生涯を知りたくなったから余計に行列に並ぶ今が楽しみなんだ。映画が大嫌いなホールデンには申し訳ないけど、これが今の僕の本当の気持ちなんだ。本当の気持ちにはインチキになれないんだよね。

 食肉加工の貿易業で財を成したサリンジャー家の息子ジェローム・デイヴィット・サリンジャーは様々な学校を転々としていた中で、コロンビア大学の創作講座に参加したんだ。そのときの講師だったウィット・バーネット、ああ彼は文芸誌『ストーリー』の編集長でもあるんだけど、作家志望のサリンジャーはバーネットの授業に大きな影響を受けるんだ。そのおかげで短編の処女作『若者たち』が『ストーリー』に掲載されたんだ。その時の原稿料はわずか25ドル、今書いている現在の外為レートで言えば約2761円だね。端から見たら1日分のバイト代にもならない金額なんだけど、サリンジャーにとって人生を決めるには十分すぎる金額なんだよね。だって夢が叶ったんだもの。これがきっかけで、サリンジャーは他の文芸紙にも掲載されるようになるんだ。

 その中でも1941年の著名な文芸誌『ニューヨーカー』に短編小説『マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗』の掲載決定は無視できないね。だけど、太平洋戦争の開戦で掲載は無期延期になったんだ。小説の内容が戦時中にそぐわないからって。まったく惜しいことをしてしまったよ。何でかって、この小説がホールデンが初めて登場する話なんだ。作家の分身とも言えるホールデンがね。結果的に『ニューヨーカー』に掲載されたんだけど、それは終戦した5年後の1946年なんだ。その5年の間にサリンジャーも色々あったんだ。ノルマンディー上陸作戦で激戦地のユタ・ビーチに上陸することになるし、出兵中の戦地で友人が目の前で撃たれて死ぬし、当時付き合っていた彼女が超大御所俳優と電撃結婚したんだ。最悪すぎて参っちゃうよね。だけど、戦地でもメモ程度の執筆活動を続けたおかげで新聞特派員として訪れていたヘミングウェイと知り合って、当時の彼の新作短編『最後の休暇の最後の日』が認められるんだ。辛口批評で有名な彼からの高評価は大変名誉なことだよね。でもサリンジャー自身はヘミングウェイのバイタリティさには付いていけなかったんだ。それは後の『ライ麦畑でつかまえて』でもホールデンの台詞に出てくるからチェックしてみて。いつのまにか話が逸れてしまったね、ごめん。ヘミングウェイを差し引いても最悪な状況だったサリンジャーは終戦した時には神経衰弱になったんだ。その時診療所で知り合った女性医師と結婚したんだけど、彼女ドイツ人なんだよね。元敵国の女性と結婚だなんて参っちゃうよね。

 1945年の帰国後は『ライ麦畑でつかまえて』の原型となる短編『僕はちょっとおかしい』が雑誌『コリアーズ』に掲載されたんだ。その翌年に『マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗』が掲載されて、ホールデンという存在を高く評価したバーネットの勧めで前2作を元に初の長編小説『ライ麦畑でつかまえて』の執筆を開始するんだ。コネチカット州の片田舎に家を借りてね。あと、その時には女性医師と離婚してたんだけど、神経衰弱の後遺症を引きずっていたサリンジャーには他人のいない環境がちょうど良かったんだ。それでもライ麦畑の執筆には相当手こずったみたい。才能の限界とか戦地のトラウマとか色々と戦わなくちゃいけなかったからね。けど、それも公園で偶然知ったヨガを習ったことで精神統一に成功して、だいぶ執筆が進んだんだ。

 翌年の1950年、自身の短編小説『コネチカットのひょこひょこおじさん』の映画化『愚かなり我が心』が全米公開されたんだけど、これがまた近年稀にみる駄作だったんだよね。あまりの酷さにサリンジャーも激怒してしたんだ。当たり前だよね。それ以来、自作の映画化を許可しなくなったんだ。ホールデンが映画嫌いなのは、そういう経験があったからかもね。

 様々な経験を経て、翌年の1951年に『ライ麦畑でつかまえて』がやっと完成したんだ。当初は超大手の別社から出版する予定だったんだけど、上層部が気に入らなかったんだよね。「狂人を主人公にした作品は出版できない」だってさ。まったくふざけた話だよ。一瞬は路頭に迷ったわけだけど、話を聞きつけた中堅出版のリトル・ブラウン社から刊行されたんだ。世に出た後は保守的な文壇からは批判の嵐だったけど、それ以上に全米の若者たちから圧倒的な支持を得たんだ。社会現象とも言えるライ麦畑ブームは今でも続いていて、2007年に全世界売上部数6500万部突破、現在でも年間25万部が売れているんだ。僕らは文学史に残る偉業の真っ直中にいるんだね。本当に参っちゃうよ。

 一躍ベストセラー作家の仲間入りしたサリンジャーだけど、その栄光はあまりにも強すぎて、下に落ちた影は切れた電球のように暗かったんだ。元々感性が機敏なサリンジャーには見ず知らずの人たちが大量に集まってくる毎日に堪えれなかったんだ。ホールデンはサリンジャーの分身でもあるから、ホールデンの気持ちを考えたら君だって分かると思うよ。挙げ句には帰りの夜道にライ麦畑を持ったホールデンが目の前に現れるんだ。幻覚とかイマジナリーフレンドとかじゃないよ、ライ麦畑に感銘を受けた熱狂的ファンがホールデンの格好で現れただけなんだ。ファンの気持ちを考えたら君だって心当たりがあると思う。サリンジャー本人だと確認できたファンは話しかけるんだ。

「何であなたはこんなに僕の気持ちが分かるのですか? 僕はあなたと話がしたい」

 作家冥利に尽きる嬉しいコメントだけど、サリンジャー自身は素直に喜べなかったんだよね。相手がコスプレイヤーだとかストーカー気質だとかそういうの以前に他人を受け入れる余裕がもうなかったんだけなんだ。でもね、ファンはそういう事情を知らないから、お互いの気持ちが噛み合うことは微塵もない。

「君と話すことはない。それはフィクションだから……」

「何でそんなこと言うんですか。僕はあなたの小説に救われたんですよ。あんたもインチキなんじゃないか! 頼むから僕を離さないで……」

 どっちも間違ってない。どっちも間違ってないから余計に悲しんだ。サリンジャーだって本当は喜びたかった。救われた彼の気持ちを純粋に信じたかった。誰よりインチキを恨んでいたはずがインチキ呼ばわりされたからね。来る日も来る日も知らない来客と過激なファンの日夜パーティーでサリンジャーの精神的な病状は日に日に悪化したんだ。これは少し後の話なんだけど音楽家ジョン・レノンの射殺犯、アメリカ大統領ロナルド・レーガンの狙撃犯、女優レベッカ・シェイファーの射殺犯が『ライ麦畑でつかまえて』を愛読していたんだ。特にジョン・レノンを撃ったマーク・チャップマンは警察が来るまで歩道に座って読んで、法廷の途中に作中の一節を大声で読み上げるほどだったんだ。明らかに犯人が狂っているんだけど、以前から問題視されていた本書への風当たりはさらに強くなったんだ。ただインチキでない小説を書いただけなのに。サリンジャー自身だって、こんな事態なんか望んでいなかった。たとえ本人がどんなに望まなくても、結果そうなってしまうから、やっぱり悲しいことだね。でも、これは未来の話であって今はまだ何も起こっていないから話の時間を戻して、サリンジャーは最終的にニューハンプシャー州の森林奥にある川沿いの土地を購入して、自耕生活を始めるんだ。徹底的に社会と縁を切るためにね……。

 とりあえず僕の話はここでおしまい。もちろん瞬き少なめで最後まで観たから話そうと思えば話せるけど、ここから先はサリンジャーの内省的な日々が続くんだ。とてもじゃないけど、これは本人でしか語れないと思うよ。ただ出来事を少しだけ話すと再び結婚して、一男一女を儲けるんだ。一見幸せそうに聞こえるけど、ただでさえ森林の僻地で不安だらけの子育てをしなくちゃいけないから奥さんは精神が参るんだ。でもね、サリンジャーはどうしたら分からないんだ。同じ屋根の下にいるのに疎通が出来ないって悲しいよね。あとね、数少なく信じた人から最大の裏切りをされるんだ。こんなに逃げてもまだ殺そうとするから人間って本当に怖いよ。

 それからのサリンジャーは「グラース家シリーズ」の第1作『バナナフィッシュにうってつけの日』を収録した短編集『ナイン・ストーリーズ』を発表するんだ。ライ麦畑を読み終えて直ぐに読み始めた作品だからサリンジャーの口からバナナフィッシュの名が出た時は大興奮したよ。「バナナフィッシュ」ってどんな生き物か知ってる? 主人公のシーモア・グラースが作中で説明するんだ。

“「あのね、バナナがどっさり入ってる穴の中に入って泳ぐんだ。入るときにはごく普通の形をした魚なんだよ。ところが、いったん穴の中に入ると、豚みたいに行儀が悪くなる。ぼくの知ってるバナナフィッシュにはね、バナナ穴の中に入って、バナナを七十八本も平らげた奴がいるんだ」”

 何だか海中ステージで洞窟の中のバナナを取りに行くドンキーコングみたいだけど、至って真面目な話なんだ。じゃあバナナフィッシュはバナナをたくさん平らげた後はどうなるのか。

“「当然のことだが、そんなことをすると彼らは肥っちまって、二度と穴の外へは出られなくなる。戸口につかえて通れないからね」”

 何だか井伏鱒二の『山椒魚』みたいな失敗だけど、これって結構大事なことだと思うよ。猿が壷の中に入った木の実をたくさん採ろうとすると手が抜けなくなる話みたいに、先を考えないで贅沢しようとすると必ずしっぺ返しがくるんだ。まあ、『バナナフィッシュにうってつけの日』も『山椒魚』も穴につかえたこと自体はきっかけに過ぎないんだ。大事なのは失敗に対してどういう行動を起こすか。サリンジャーもまた失敗に対して何とか抗おうと動くんだ。この映画で一番の注目点はそこなんだ。

 正直に言って、サリンジャーにはもう手段がないんだ。いっそのこと死亡したほうが人として賢明じゃないかと判断しかねないほどにね。しかし、そうはしなかった。ここで彼は最終的な解答を出すんだ。煽てにも普遍的ではない、今の自分、これからの自分にとって必要な解答を出すんだ。それこそ歴史上に残るサリンジャー最大の謎の答えなんだ。今は何でもネットで情報が得られる時代だし、サリンジャーの半生を知りたかったらWikipediaでも見れば一発で知れる。けどね、そんな情報はハリボテの看板でしかないんだ。君だって本当は知っているはずだよ? 教科書に書かれている情報ほどつまらないものは世の中にないね。たとえば同じ世界史でもウィリアム・H・マクニールの『世界史(中公文庫)』は読んでいてすごくワクワクするんだ。書かれている情報は同じはずなのに、向こうは強い抑揚を感じる。それがストーリーの持つ偉大な力なんだ。

 これはサリンジャーという一人の男の生涯の物語であり、サリンジャー自身が人生をかけて証明した“ストーリー”の物語でもあるんだ。僕が予告に惹かれたのも彼のストーリーに触れたからかもね。そんな映画を見た日はきっと、その人にとって「サリンジャーに捧ぐのにうってつけの日」だよ。それはインチキじゃないから信じて。まだ信じられない? いやまったく、君にも一目見せたかったよ。

 どうやらまた喋りすぎたみたいだね。今度こそ僕の話はこれでおしまい。いったん喋りだすと止まらなくなるんだ。別に深い理由はなくて、ホールデンが嫌いな世界のサリンジャーの姿がやけに心に浸みた、というだけのことかもしれない。だから君も他人にやたら打ち明け話なんかしない方がいいぜ。そんなことをしたらたぶん君だって、誰彼かまわず懐かしく思い出しちゃったりするだろうからさ。


【参考・引用文献】

◆『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』パンフレット
◆『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー(訳:村上春樹):白水Uブックス
◆『バナナフィッシュにうってつけの日(『ナイン・ストーリーズ』収録)』J・D・サリンジャー(訳:野崎孝):新潮文庫
◆Wikipedia


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ニコラス・ホルト

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【あとがき】

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 わざわざライ麦畑で使われた口語の文体を用いてまで長々と感想を書いたのに、実際の観終わった後はこれぐらい淡泊です。劇場を出た顔はポーカーフェイスですが心と脳は暴発寸前まで過熱化されてます。

 まあ語り合う相手がいないから知らない人の道を歩きながら先ほどみたいに喋り出す方が明らかにヤバいですが…苦笑

 むしろ時間を置くことで、今回観た映画の簡潔なあらすじ、見てほしい注目点、伝えたいメッセージが脳が冷めた状態で分析できて、今回のような記事を書けるんだと思います。これでも冷静なほうです。人生で一番好きな『ドラえもん』を思いつきで書かせたら広辞苑と六法全書を合わせて50倍にさせた文字量になると思います。それで生涯が終えるのなら本望です。ラブ・イズ・パワー・イン・永久機関です。これが私が普段ネットに感想を書かない理由です。とてもじゃないが扱いにくいでしょ。

 そんなこんなで、またもやお久しぶりです。

 1週間のお休みのはずが1ヶ月になりました。まるで気分は再び地上に降りた浦島太郎です。とはいえ、とはいえ、おかしいぞ。まったく実感がないぞ。自分の周りだけ時間軸がおかしいのじゃないか…?

 自分のこの1ヶ月の出来事を振り返ろう。

 まず1月の中旬頃に1泊2日の旅行に行ったんだ。それで紀行記を書こうと思った矢先にインフルエンザA型にかかって7回休み(地球では7日に当たる)になって、完治したから執筆に戻ろうとしたら紀行記の前に書きたいネタ(1回分)があって、それが5日かけてもスランプから抜け出せなくなって、気分転換に復習も兼ねたライ麦畑を再読して、それで映画を観に行ったんだ。それが先週の火曜のことで、映画があまりに感動したから今日まで感想を書いたんだ。うん、累計したら1ヶ月ぐらいになるな。良かった、自分は地球人だった。

 さて、これほどまでに書いたサリンジャーの記事ですが、自分のサリンジャー歴を告白したらまだ2ヶ月も経っていないレベルです。ランクで例えたら映画のキャッチコピーによくある「何かが起ころうとしていた」すらまだ起きていない勾玉の胎児クラスです。もしかしたら1年後の今日、寝返り程度に何かが変わっているかもしれませんが、今のところ元号と消費税が変わった未来しか見えません。みんなが一斉に受ける未来は未来ではありません。ただの決定事項です。決定事項にときめくほど人間は単純に作られていません。

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 個人的に思う未来とは、上の写真みたいに1年前まさかサリンジャー全作(右の縦2冊はパンフレット)を集めるとは思いもしなかった、そういう良くも悪くも予想しなかった事態に未来を感じます。志望の学校に入学した・志望の職種に就職した、こういうのはその人自身が物凄く頑張った結果の出来事なので未来に見せかけた予定です。努力したけど叶わなかったのも残念ですが予定です。何もしなくて叶わなかったのは因果応報です。何もしなくて叶う人は言語道断です。裏口合格ダメ。ゼッタイ。

 さてさて、今回出てきたサリンジャーの作品たちですが、その半分以上はつい最近まで読めませんでした。主に下記の作品は。

◆『若者たち』
◆『マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗』
◆『僕はちょっとおかしい』
◆『最後の休暇の最後の日』

 なぜなら雑誌に掲載されただけで、まだ書籍化されていないから。

 現在サリンジャー作品で公式に書籍化されているのは、

◆『ライ麦畑でつかまえて』
◆『ナイン・ストーリーズ
◆『フラニーとズーイ』
◆『大工よ、屋根の梁を高く上げよ / シーモア-序章-』

の、わずか4冊だけです。

 それ以外の未収録短編・中編は掲載された雑誌が権利を持っているのですが、掲載された雑誌が全てバラバラなので、新しく作品集を出すのは難しい状況下になっています。まさか短編1作だけで出版なんかできませんので、現時点では当時の雑誌を読むしか手段はありません。

 ただ英語圏以外の国では事情が違い、その所有する出版社から翻訳版の出版権を買い集めることで、日本でも大全集みたいな何種類かの形で出版されました。しかし、それも大昔に小規模出版したせいで世間に出回ることもなく、マニアックな古書店か規模の大きい図書館でないと見かけない代物になりました。

 そんな中、文庫版のサリンジャーを出版する新潮社が昨年の6月(約半年前)に、入手困難な短編9作を集成した作品集『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる / ハプワース16、1924年 (訳:金原端人)』を復刻出版しました(先ほどの写真で言うと左側の下にある本)。

 表題作である『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる』を含めた6作、

◆『マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗』
◆『僕はちょっとおかしい』
◆『最後の休暇の最後の日』
◆『フランスにて』
『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる』
◆『他人』

が、『ライ麦畑』のホールデン登場の連作(『最後の休暇の最後の日』以降は別のキャラクターの視点から20歳前後のホールデンが描かれている)。

 デビュー作も含めた短編2作、

◆『若者たち』
◆『ロイス・タゲットのロングデビュー』

 もうひとつの表題作、

◆『ハプワース16、1924年』

が、『バナナフィッシュにうってつけの日』の主人公シーモア・グラースが7歳の時に書いた手紙という形で綴られる中編小説(この作品を最後にサリンジャーは死ぬまで長い沈黙生活に入る)。このような構成となっており、書いた当時の彼の心境が作品を通して感じるので、過去全作読んだ人や映画見た人に本当にお勧めしたい本でございます。

 とりあえず書きたいことをすべて終えたら、私は今どこにいるのか分からなくなりました。どうやらここらへんが今日の終了のようです。晩年のサリンジャーのように沈黙に入ります。

 はて、次の更新はいつになるだろう。なるべく早く、略して「なる早」で目指します。
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「お疲れさまです」

 出先で寄った書店のレジで知らない男性店員から急に言われた。

 もちろん私はここの書店員ではない。というより今まで書店で働いたことがない。だから仕事関係でどこか彼に出会った可能性はない。常連のお客なら顔を覚えてもらう可能性もあるけど、ここの書店は今日初めて来たし、まずお客に「お疲れさま」なんて普通言わないだろう。もしかして古いクラスメイトではないかと、自分が覚えている顔を一生懸命思い出すも、彼の顔に該当するクラスメイトはいなかった。はっきり言って私は彼を知らない。

 たぶん誰か仕事仲間と勘違いしてるんだろう。まあ適当に受け流しておくか。

「お疲れさまです」

「今日はどこ行ってたんですか?」

 どうやらその書店員は休日出掛けるのが好きみたいだ。

「まあニトリで適当に家具見てました(笑)」

「えっ、なぜ敬語を?」

 ということは君は後輩なのかな…?

「いや、今日はお客で来てるからそういう口調になっちゃっただけ(笑)」

「あーなるほど!(笑)」

「うん。そう(笑)」

 妙に会話が続くな。プランでは一言程度の挨拶で終わるはずが最近珍しいぐらい他人と会話してるぞ。というより、こんなに会話してて向こうも気がつかないのか。よく見たら顔が違ってたとか、普段と声が違うとか、この店員は気がつかないのか。それほど私とそっくりな店員がこの店にいるのか。もう会ってみたくなってきたよ。いや待て、そうじゃない。もう自分を偽るのは疲れたんだ、いいかげん早くこの場を去りたい…。

「では社割しときますね」

「はっ!? え、社割…かい?」

「何言ってるんですか。ウチで買ったら社割利くでしょう」

 社割ってあれでしょう。社員割引でしょう。書店員が自店で本を買うと定価から1割引されるってやつでしょう。無難な会話だけならまだしも金銭が関係してくると話は変わる。今自分は他人の名義を使って不法に値段下げようとしている。これは立派な詐欺行為に当たる。このまま割引かれた値段で買ってしまったら、最悪の場合、偽証の罪で刑事事件に発展するかもしれない。それはまずい…本当にまずいぞ…。

「あっ、今回はいいから」

「はい?」

「えっと、その文庫の著者ね、俺大ファンで。なるべく売り上げ貢献してあげたいから値段そのままでお願い」 

 本当は今日初めて買う著者の本だけど、こういう場合は仕方ない。

「そういうことですか。分かりました。では値段そのままにしときますね」

 とっさの機転が功を奏した!

「感謝するよ」

 それは本心だから嘘ではない。

 無事に定価で買えて、袋を受け取った私は一目散に去ろうとした。そうしたらあの店員からまた声を掛けられた。

「すいません、来月のシフトのことなんですが……」

「ごめん急いでるから詳しいことは後でLINEして」

 これで向こうを撒くことに成功した。きっと彼がLINEする頃には全てを知るであろう。正直に言って、その書店員に会ってみたい気持ちが沸々と上がってはいるが、何か犯罪に触れてしまいそうな領域になってまで会いたくない。その前に、その書店員が私のドッペルゲンガーか何かだとしたら、それは出会わないほうが互いのために良い。人の一生で出会える人の数は限られている。その中で出会うべき人たちに出会えることを人は運命の導きとか呼ぶが、逆に出会うべき人たち以外の人たちとは距離を置くべきだ。距離を置くことこそ出会うべき世界の秩序を保つ掟だ。

「俺はこの広い世界から見ればまるで海の中に落ちた一滴の水を探しに海に飛び込んだもう一滴の水のようなものだ」ーー弟アンティフォラス(『間違いの喜劇』ウィリアム・シェイクスピア(訳:小田島雄志):白水Uブックス)

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間違いの喜劇 (白水Uブックス (5))
間違いの喜劇 (白水Uブックス (5)) [新書]
ウィリアム・シェイクスピア
白水社
1983-10-01

【あとがき】

 もし今回のタイトルを読んだ時点で直ぐにシェイクスピアを思いついたとしたら、あなたはなかなかの通ですね!

 翻訳されたシェイクスピアシリーズの中で一番ポピュラーに読まれている新潮文庫では刊行されてなく、ちくま文庫か白水Uブックスのシェイクスピア全集もしくは最近出た角川文庫の新訳シリーズでないと読めない作品なので、そこにたどり着いたあなたとお友達になりたいです。

 私は白水Uブックスのを読んだんですが、これがメチャクチャ面白くて、ずっと読む手が止まらなかったです…!!

 またシェイクスピア作品の中で最も短い作品なので2時間足らずで読み終わります。そのおかげか本当に観劇してるような錯覚になります。

 あらすじを言うと、船旅中の嵐で十数年間生き別れた二組の双子がお互い知らずに同じ町にたどり着いて、双子だと知らない町民たちが本人たちを巻き込んで大騒動になっていく喜劇作なんですが、『ハムレット』『マクベス』みたいな悲惨な要素や『リア王』『ヴェニスの商人』ほど難解な表現がなく、ファミリーで楽しめる軽快な喜劇なんですよねぇ。

 登場人物たちの関係図が話が進むにつれてどんどん拗れていくんですが、後半から散々散らかした伏線が酒場の舞踏会みたいにリズム良く回収されていって、その気持ち良さに観客(読者)は思わずニヤニヤしてしまうんですよ。

 これこそ演劇の醍醐味で、この快感を再び味わいたくて何度も劇場に行ってしまうんですよねぇ…!(まだ1回しか行ったことないけど凄くハマる)

 すみません、悪いクセでどうでもいい話を長々してしまいました…。

 昨日の記事でも少し出しましたが、自分は本当に特徴のない顔してるので、無理矢理思い出せば古い誰かに引っ掛かりそうな顔ということで何回か間違われたことはあります。

 芸能人の誰々さんとかならまだ良いし何なら嬉しい。

 でも私のは、

「あれ村上じゃね?(たぶん友人さん)」
「やだーヒロシちゃん久しぶり!お母さん元気?(たぶん親戚の誰か)」
「奇遇だな鈴木くん。こんな所に会うなんて(たぶん直属の部下かと)」

みたいな『THE 一般人』の顔として年に何回か

「やせいの ポケモンが あらわれた!」

的な突発イベントとして立ち会います。

 生まれつき『芸能人顔』『一般人顔』ってありますよね。

 もし新垣結衣や広瀬すずが街中を歩いていたら、たとえ芸能人になってない世界だとしても100人中100人が芸能人だと思ってしまうでしょう。

 木村拓哉や福山雅治は何をしても圧倒的カリスマオーラが光って、彼が芸能人じゃなかったら何が芸能人なの!?と民衆の憤怒が渦巻くと思います。

 一度で良いから自分も芸能人顔になってみたいです。

 でも…今自分ニートだから、

①平日昼間に街中歩いても「あの人カッコいい!でもニートなんだ…」

②夕方スーパーで買い物しても「あの人カッコいい!でも特売ネギ買うんだ…」

③深夜レンタルDVD店にいても「あの人カッコいい!でもアダルトコーナー入るんだ…」

 何だよコレ身動きとれないっ!!!

 もし自分が芸能人だったらイメージのために制約しましょう。

 でも分類:一般人だから好きなときに好きなことやらしてくれよ…。

 やっぱり一般人顔で良いです。全く稼ぎに繋がらないけど。

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 買い物が終わって外へ出るショッピングセンターの出入り口で、足元に落ちていた映画の半券を拾った。

 作品は『くるみ割り人形と秘密の王国』。

 偶然にも先月観にいった作品だ。

 場所はこのショッピングセンター内にあるシネコン。

 ちょうど自分が見た映画館だ。

 上映日時は今から3時間前。

 まだショッピングセンター内を回っていた時間だ。

 いわゆる用済みの落とし物だな。完璧だ。今このチケットを持っていたら、もし自分が事情聴取されたとき「この映画館でこの作品を観ていた」という嘘の自供ができるかもしれない。つまりサスペンスドラマで言うアリバイ工作だ。 

 たとえば今日ショッピングセンターのどこかで窃盗や殺人など何か事件があっても、場所によってはこの半券を見せることで私は容疑者リストから外されるかもしれない。

 たしか探偵ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身(東野圭吾:文春文庫:映画2008年)』が映画の半券を使ってアリバイ工作をしていた。あれと同じことを今自分はしているのだ、そう思うと余計にドキドキする。

 仮に刑事に「どんな作品だった?」と訊かれても答えることができる。現に観たことがある作品だから、細かいあらすじも感想も直ぐに言い返せる。ここの映画館はポイントカードがあって財布に入っているが、それも「窓口で見つからなかったから出さなかった」とシラを切れば良い話だ。

 もう少し磨けば、さらに精巧なアリバイになりそうだ。

 そういえば目撃者と監視カメラの網をどうやって逃れるか。今の自分の姿は

◆整髪していない黒短髪
◆JINSの黒縁眼鏡
◆ユニクロの黒ダウンコート
◆ノーブランドの藍色ジーパン
◆OUTDOORの深緑デイパック

 あまりにも特徴が無さすぎる。つまり誰も私を見たことも見ていないことも確証して言えない。幸運にも特徴のない平凡な顔つきだから、誰もが私を指摘することができない。監視カメラでも似たような人物を何人も映しているだろうし、科捜研にでも回さない限り識別しにくい格好だから、危険なときはその間に逃亡でもすれば良い。

 そもそも家に帰る予定なんだから、現場とは早く離れるべきだ。

 どうだ、これこそ完璧なアリバイ工作だと思う。

 もし、このアリバイ工作で問題点を上げるとしたら、この半券が小中学生料金であることだ。

 さすがに小中学生に擬態するのは無理がありすぎるし、もしこの半券の持ち主が誘拐や行方不明になっていたら、第一に疑われるのは本人の半券を持っている私だろう。元々ありえない半券を持っている時点で疑惑は確証に変わる。

 まずいな。こんな半券なんて今すぐ捨てて、今すぐこの場を逃れよう。

 ショッピングセンターの出入り口から徒歩15分のところまでたどり着いた。

 ここまでくれば捜査の手からも逃げられるだろ……ああしまった!

 拾った時点で私の指紋が付いている。だけども出入り口に戻る猶予はない。

 もっと遠くに逃げよう。どこに逃げようか。たとえばショッピングセンター内のスーパーで牛乳が売り切れてたから、ここから徒歩10分のところにある別のスーパーに逃げるのも良いかもしれない。

 誰かの手が回る前に早く向かわなければ…!

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【あとがき】

 たぶん話の流れ的に映画の感想とか書くべきなんでしょうが、あいにく自分が想像してたのと合わなかった(期待しすぎた部分が大きい)ところがあって、あまり良い感想が書けないかもしれません。

 もちろん世界観の映像も綺麗だったし、劇中の音楽も素晴らしかったんですが、肝心のくるみ割り人形が最初から完全に人間だったし(それに「まあくるみ割り人形!」というのはさすがに不自然)、たしか原作では事件が終わった後くるみ割り人形は魔法で人間に生まれ変わるはずが、別に最後そのまま(最初から人間の姿してるから変身しようがない)だったし、「こ、これ、ワイの知ってる『くるみ割り人形』とちゃう……」とどうしても思ってしまうのが正直な感想です。

 この感覚、前にもあったな…。

 そうだ。『アリス・イン・ワンダーランド(2012年)』のとき同じことを思ったんだった。要するに原作から乖離しすぎだよな……何だよ最後「これからの時代は中国よ!!中国でビジネスよ!!」って……(原作厨の弊害)。

 これから上映されるディズニーの実写映画では『ダンボ(2019年)』と『メリー・ポピンズ リターンズ(2019年)』と『わんわん物語(2019年)』が楽しみで、ほぼ観に行くつもりなんだけど、大丈夫かなぁ…。

『ダンボ』の監督が『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートンで個人的に好きな監督なんだけど、ティム・バートンはクセが美しいからイメージがまだ付いていない原作かオリジナル作品をもっとやってほしいです。

『ナイトメア・ビフォア・クリスマス(1993年)』めっちゃ大好き…!!

『チャーリーとチョコレート工場(2005年)』夢があって良かった…!!

『ビッグ・フィッシュ(2003年)』たぶん世界観が好き過ぎて泣く…!!

 最後のはまだ観てないけど、観る頃にはもっと上手に批評かけるようになりたい。

 良い批評の書き方、本当に分からないから困る…。

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  監督:フランク・マーシャル
キャスト:ジェフ・ダニエルズ
ジャンル:パニック
 製作年:1990年
 製作国:アメリカ
上映時間:109分
  評価:★★★☆☆
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【あらすじ】

 
アマゾン熱帯雨林で昆虫学者アサートンは、猛毒を持つ新種のクモを発見する。また同行したカメラマンはその毒グモに噛まれて亡くなってしまう。噛んだ毒グモは彼の死体にまぎれてカリフォルニア州の小さい町に上陸して、次々と町の住人を殺す。

 死体を解剖して事態に気づいた町の医師ロスはクモ恐怖症でありながらも、アサートンや害虫駆除業者デルバートと共に立ち向かう。

 その頃、毒グモは地元グモと交配して新種の兵隊グモを大量に生んでいた……。

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【感想的な雑文】

 基本的にクモは好きなほう(ハエトリグモを部屋に放し飼い)だけど、そんな自分でも「うわぁ……」って思うほどクモの不快な部分を突いてくるお昼・深夜にピッタリなB級パニック作品。

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ジェフ・ダニエルズ
ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント

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【あとがき】


[※以下ネタバレ]

 危険生物パニックにしてはドデカいモンスター・ド派手な爆発やアクションはなく、静かに淡々と原寸大の怪物が襲ってくるテイストのものだったけど、ラストの女王グモとの対決シーンはなかなか面白い収穫がありました。

 特に自分の身を挺してコロニー(卵がある蜘蛛の巣)を守る女王グモの姿には『エイリアン2(1986年)』のクイーン・エイリアンを彷彿させる禍々しい母性の強さを感じさせる。ただ製作総指揮にスティーブン・スピルバーグがいたのは意外でした。1990年製作だから『ジュラシック・パーク(1993年)』より前になるわけだ。

 やっぱりこの頃のパニック作品は基本的にスベらないので、少々色物ぽくても安心して観れますねぇ~。
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  監督:ヨン・サンホ
キャスト:コン・ユ、マ・ドンソク
ジャンル:ゾンビ/スリラー
 製作年:2016年
 製作国:韓国
上映時間:118分
  評価:★★★★★
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【あらすじ】

 
ファンドマネージャーで仕事人間の主人公ソグは、妻と別居し、実母と娘スアンの3人で都会のマンションに暮らしていた。

 もうじき誕生日を迎える娘に、ソグは何が欲しいか尋ねると「プサンにいるお母さんに会いたい」と言う。仕事が忙しいと一度断ったソグだったが、娘との関係を直したい気持ちを考え、翌朝2人はソウル発・プサン行きのKTX101列車の3号車に乗り込んだ。

 KTXがソウル駅を出発するが、発車する直前、12号車にてひとりの女性が異様な様子で駆け込んできた。同時刻、発車直後に車窓を見たスアンは駅員が何者かに襲われる様子を目撃したが、他の乗客は誰も見ていなかった。

 一方、駆け込んできた女性は廊下で倒れ、介抱した女性乗務員に噛みついた。駆け込んできた女性はゾンビウィルスの感染者であった……。

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【感想的な雑文】

 普段あまり観ない(というか初めて)韓国映画から凄いゾンビ映画が現れたとのことで観賞。

 何と…これは…凄すぎないか!!?

 世界中にある過去ゾンビ映画の中でもトップファイブに入る完成度だし、心が揺さぶられる部門で言えばナンバーワンだと言いたい。

 まさかゾンビ映画でここまで号泣させられると思わなかった…。

 家族や友人や恋人、誰か大切な人のことを想像して観ると(某中年会社員を除いて)彼らの行動に共感する。

 特に妊婦の旦那がカッコよすぎる…!!

 どう人生歩んだらあんなにカッコよくなれるんだ!?

 将来自分に嫁と子供ができたら、あそこまで守ることできるか…(それ以前に旦那の筋力が桁違いなので最低限の筋トレはしておこう…)。

 また本作の舞台となるKTX(韓国の高速鉄道。分類的には新幹線ではないので邦題のダサさが際立つ)の車両を移動する際、各車両にいるゾンビたちを乗り越えないといけないのだが、これが車両特有の細長い部屋を上手く利用していて、横スクロールのゲーム画面をイメージさせる。だからなのか生きるか死ぬかの最中なのに大変ドキドキする。

 次々と襲いかかる障害にどう乗り越えるか、一般車両だから銃も刃物もないし(せいぜい野球部のバットぐらい)、乗客も一般人だから基本的に武器は扱えない。ゆえに登場人物たちの知恵と行動が目立つ。この悪条件を用意した製作側のセンスに相当のものを感じた素晴らしいっ!!!

 あと場面場面に出てくる無駄にエモいシーンは、この凄惨すぎる世界に残る数少ない優しさなのか、この監督とスタッフの愛情が感じた。本当カメラワークが美しすぎるんだよ…!!!

 ちなみに個人的に笑いのツボ的な意味でウケたのが、序盤に出てくるバイオ工場事故による防疫の車道検問での会話。

 トラック運転手「またブタを埋めるのか?」

   車道警備員「口蹄疫じゃなくて」

 トラック運転手「今度またブタ埋めたら ただじゃおかない」

 2010年に宮崎県で口蹄疫が流行った時、韓国でも「口蹄疫が流行っているのでは?」との疑いがあったが、韓国政府は「そんな事実はない」と回答した。

 ただ現地の地方新聞などで感染の可能性が確認されてるのでWHOなどが現地調査を申請したが政府は頑固突っぱねて、そして同時進行で感染したブタたちを殺処分していたが、ブタの数があまりに多すぎて薬殺用の薬が足りず、極秘に大量のブタを生き埋めした噂が世界中に広まった(CNNなどは証拠映像を公開したが、日本のマスコミは一切報道しなかった)。

 政府的には後にも先にも口蹄疫などない方向で進めたい中での、この“また”が付く会話である。

 なかなかアナーキーなことやってくれるじゃねえか!

 --などなど一度観ただけでは抱えきれない評価を踏まえて、もっとこの作品の存在を世間に広まってほしいと心から願いたい。

 日本では興行的にヒットしなくて、ほとんどの劇場は2週間足らずで終わったが、大きい原因の二つにダサすぎる邦題とあまり宣伝されなかったところがある。

 前者はともかく、後者はなぜ宣伝されなかったんだろう。

 ……口蹄疫かな?

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コン・ユ
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  監督:ピーター・バーグ
キャスト:マーク・ウォールバーグ
ジャンル:ノンフィクション
 製作年:2016年
 製作国:アメリカ
上映時間:107分
  評価:★★★★☆
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【あらすじ】

 
2010年4月20日、メキシコ湾沖約80kmにある世界最大級の石油掘削施設が海底油田からの天然ガス逆流の引火により大爆発が発生。海上一面が炎の海と化した。だが、それは歴史上最悪の“人災”でもあった……。

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【感想的な雑文】

 
やっぱり徹底とした安全管理は必要だし、テストに掛かるコストは微塵もケチっていけないと改めて痛感した。

 前半は利益重視の上層部との衝突シーンが続くが、噴出事故発生後からの展開が怒濤続きで1秒たりとも見逃せない。しかも実話だから悪化する事態に余計に頭を抱えてしまう…。

 テレビで観ても迫力があったのだから重低音が効いた映画館で観たら更に良かったんだろうけど、とにかく現場が地獄絵図すぎて関係者じゃないのにイップス(心理的原因で出来なくなる症状)引き起こしてしまいそう…。

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マーク・ウォールバーグ
2017-08-16
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      監督:デニス・デューガン
    キャスト:マーティン・ローレンス、スティーブ・ザーン
    ジャンル:コメディアクション
     製作年:2003年
     製作国:アメリカ
    上映時間:88分
      評価:★★★☆☆
    ---------------

    【あらすじ】

     
    警官志望生の黒人アールは挑発的な性格のせいで今年も採用試験に落ちてしまった。

     一方、職務中に相棒を目の前で失った過去を持つ警察官ハンクは、昼間の街で車場荒らしらしきアール(実際は車中に鍵置き忘れてドア閉めてしまった)を職務質問するが、偶然飛んできた1匹の蜂のせいで誤ってアールを殴ってしまう。

     その場面を偶然携帯で一般人に撮影されて、ハンクは懲役6ヶ月そして警官クビになってしまう。一時期ニュースになったこともあって、刑務所では黒人の囚人たちからリンチをくらうが、何とか耐えて出所したハンクは小さい警備会社の警備員として勤めることになる。

     偶然深夜に別管轄の倉庫が襲われている場面に遭遇したハンクは潜入に成功するが、そこで会ったのは、偶然同じ会社に勤める警備員アールだった。今晩のシフト担当である監視パトロールを怠ったせいで侵入されたらしい。

     彼らは互いを忌み嫌いながらも協力し、倉庫を襲った犯人と牛耳る裏の組織を追っていく……。

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    【感想的な雑文】

     深夜テレビつけっぱなしにしてたら何かマーティン・ローレンス(吹替:山寺宏一)の映画が始まっちゃったので、そのまま見てたら結構面白かった。

     ただ「どーせお前ら、相性最悪の凸凹コンビが銃や車でドッカンバッタンど派手に暴れる設定の映画好きなんだろ?」と言うばかりに雑というか大味な内容で、そういうバディ系にありがちな展開ばかりだったからハッキリ言おう。

     ああそうだよ、そういうの大好物だよ!

     敵も味方も脳筋の野郎らがテレビゲーム初心者みたいな銃のバカ撃ちと免許剥奪運転で道路ボォォボォォに燃やしちゃう系の頭からっぽで見れる映画って良いよな!!
     またそういう映画って存在知っていても、わざわざTSUTAYAで借りようとは思わない。かといって動画配信アプリで選ぶことも少ない。たぶん一生出会わないであろう前提の中で、ちょうど居合わせたら見れるテレビ放送は運命の導きのようであり、そういう映画が一番面白く映る距離感である。本作もまたそういう類いであった。

     やっぱ90年代のアクション映画は良いy……これ製作2003年なの!?

     バディ映画の傑作『バッドボーイズ 2バッド(こちらもローレンス出演)』と同期なの!?

     おいおい21世紀に入ってこのクオリティとは恐れ入ったぜ…。

     細部までCGが行き渡ってる映画も良いけど、たまにはこういう作りが泥臭い映画も良いじゃないか。

     その泥臭さにゲラゲラ笑い合う仲間こそ真のバディだ!!!

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      監督:アレックス・プロヤス
    キャスト:ブレントン・スウェイツ
    ジャンル:ファンタジー/アクション
     製作年:2015年
     製作国:アメリカ
    上映時間:127分
      評価:★★★☆☆
    ---------------

    【あらすじ】

     神様と人間が共存する古代エジプトは「生命の神」オシリス王の統治により繁栄を誇っていた。しかし、王の弟セトのオシリス謀殺により王座は奪われ、人々は暴君セトに苦しめられていた。オシリスの子で、王座と両目を奪われた王子ホルスは、泥棒青年ベックと手を組み、エジプトの王に降臨するための鍵を握る重要な道具「神の目」を盗み出すべく、前途多難な冒険の旅に出る……。

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    【感想的な雑文】

     
    そんなあらすじをすべて踏まえて言いますね。

    商人C
    「あれは神話じゃねぇ、牙狼だ……」

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    【あとがき】

     そして、

    商人C
    「この吹替、正気の沙汰じゃねぇ……」

      

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      監督:チェン・カイコー
    キャスト:染谷将太、阿部寛、ホアン・シュアン
    ジャンル:歴史/ミステリー
     製作年:2017年
     製作国:日本、中国
    上映時間:132分
      評価:★★★☆☆
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    【あらすじ】

     
    若くして唐(中国)へ渡り、後の真言宗の祖となる真言密教の教えを日本にもたらした天才的な知能を持つ僧「空海」。彼が留学先で知り合った詩人「白楽天」と共に、長安(唐代に最も栄えた首都)を揺るがす妖しい黒猫と30年前に謎の死を遂げた「楊貴妃」の真相を紐解くが、それは決して開けてはいけない事実があった……。

    ■□
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    【感想的な雑文】

     
    事実的な歴史と空想的な怪奇と天才的な推理が三つ巴に渦巻く「夢枕獏」原作の一大スペクタクルな一作。

     一部協力ではなく全般的な日中合作プロジェクトとして作られた今作の本気度は観れば分かるが相当のもの!

     中国・唐の街並みや当時の衣服・装飾品の再現など今作のために丁重に生み出されたものたちは中国の歴史に感心持つ者たちの心を底から楽しませてくれる。

     個人的に「横山光輝」と「諸星大二郎」が好きなので、古代中国の文化や逸話には惹かれてしまう…!

     やっぱり古代中国って素敵!!

     赤く染まる頬のように登場人物たちの台詞や感情の移り変わりも大変繊細で美しいのだが、ただ繊細すぎて分かりにくい…。

     どこが理由でこの人は怒りに駆られているのか、台詞が遠回しすぎて結局何が言いたいのか、観たのは吹替だけど少し状況整理のために字幕が欲しくなった…。

     また本来は全編中国語で構成されているので、当然主演の染谷将太も中国語で話しており吹替も自身がやるのだが、セルフ吹替がここまで厳しいものとは…。

     同じ染谷将太でも“口は中国語で言葉は日本語”という脳内で不思議な混乱が起こるので、最初から“気にしない!”と割りきった方が複雑な本編の推理に集中できる。

     あと驚くほど編集点がブツ切れで、心地好いテンポがガッタンガッタン止められたような気になり勿体ない…大変良い題材なのに…。

     これは満点スタートからデメリットが引かれて評価点が決まる『大変惜しい一作』である。

     未だに頭の中で伏線が回収できていない部分もあるのでレンタルか動画配信が始まったら、もう一度復習したい。

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